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日本代表ジェイミー・ジョセフ、どんな質問にも「反則が出ると勝つの難しい」【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
ワールドカップフランス大会は約2年後(写真提供 日本ラグビーフットボール協会)

 ラグビー日本代表は10月23日、昭和電工ドーム大分でオーストラリア代表に23―32で敗れた。

 初めて8強入りしたワールドカップ(W杯)日本大会以来2年ぶりの国内代表戦。世界ランクで7つ上回る3位の相手に一時は4点差と迫ったが、目指していた勝利には届かなかった。

 13―22のスコアで迎えた後半8分には、危険なプレーでロマノ レメキ ラヴァがイエローカードをもらって数的不利の状況に追い込まれていた。

 そのため試合後のジェイミー・ジョセフヘッドコーチは、反則禍を悔やむ。ピーター・ラブスカフニキャプテンと出席した会見では、前向きな趣旨の質問へも「(複数の)ペナルティとイエローカードが出るようだと、強豪に勝つのは難しい」と繰り返した。

 

 以下、共同会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

ラブスカフニ

「きょうのプレーには誇りに思っています。ひとつになっていると思えた。自分たちのそこで、ミスからポイントを取られた形でした」

ジョセフ

「同感です。(前回のツアーを終えた)7月から長い時間が空いて、そこから最初の試合にしてはいいプれーができた。選手たちのモチベーションが高く、よいところを見せられた。コーチとしては、ここからバランスを見ていくことが大事。2~3つの改善点がある。ひとつは規律。17回(公式記録上は14回)のペナルティを出すと、ワールドカップで優勝した南アフリカ代表に勝つような強豪チームには勝てない(オーストラリア代表は直近のラグビーチャンピオンシップで南アフリカ代表に2連勝)。試合でミスが起こった時間帯、タイミングも試合結果に影響した。チームとしては練習して成長する。改善していきたい」

——一時4点差までに迫った。一方で勝ち切れなかった。勝負のポイントは。

ラブスカフニ

「自分たちとしては後半、モチベーションの高い状態で入っていった。同じ絵を見ながらプレーできた。4点差になっても自分たちのマインドセットは変わらなかった。ただ自分たちのミスで、機会を逃してしまったのではないかと感じます」

——目立ったプレー、光った選手について。

ジョセフ

「10番(司令塔のスタンドオフ)の松田力也は防御ラインにボールを持って仕掛けていて、バランス的によかった。(前半26分のトライに繋がった)クロスキックは象徴的。ここに彼の成長が見られた。パフォーマンスがよかった。フォワードは圧力をかけられたが、その意味ではまだまだ改善点があるということ。ヨーロッパツアーではもっと成長したい」

——ラインアウトで圧力を受ける場面があったが。

ジョセフ

「スタッツで言うと87パーセント獲得しているので不安はないが、そのお話で言えば、(ラインアウトからの)モールで(トライを)取られたのが負けるきっかけとなった。それに関しては(ラインアウトを担当する)自分の責任。映像を見て、改善していきたい」

——ボール・イン・プレー(プレーが止まっていない時間)は満足のいくものだったか。

ジョセフ

「規律がよくなく、自分たちで勢いを失うところがあった。速いラグビーができた時にはいい部分もあったが、17回のペナルティとイエローカードが出るようだと、強豪に勝つのは難しい。改善が必要だと思っています」

——ディフェンスはよかったように映るが。

ジョセフ

「相手の勢いを止めることができた。15人でいる時はブレイクダウンでも圧力をかけたり、ターンオーバーも取れた。大半の部分はよかった。ただ、14人になると他のところへの負担がかかる。規律の部分(が要因)で、ディフェンスが崩れてしまった」

——リーチ マイケル前キャプテンは試合前に怪我。試合中にはフルバックのセミシ・マシレワ選手が故障で退きました。欧州遠征への参加可否など、怪我人について共有できる情報は。

ジョセフ

「(日本語で)すいません、まだわからないです」

——ブレイクダウンで健闘できたように映った。フォーカスポイントは。

ジョセフ

「自分たちとしてはむしろ、問題になった部分でもある。ブレイクダウンでは細かいことを正しくやるのが重要です。きょうも(援護役が)スクエアに入れておらず反則を取られたところもある。レフリーに適応するのが重要です。ディフェンスではブレイクダウンにアタックしていくか、リリースするかの判断も重要。ここはできるだけ早く修正しないと、同じミスを犯す」

 テストマッチデビューを果たして接点で奮闘したフランカーのベン・ガンターも、試合後には「個人的な課題はブレイクダウンでいつ入るか(ボールを奪いに行くか)のタイミング」と反省。こう先を見据えた。

「1試合でボールを奪えるチャンスはそう多くない。いかにエナジーを失わず、判断し、ボールを奪うタイミングを見計らうか。反復練習していかないといけない。それはどのレベルでも同じです。1試合のなかで2~3回しかない。そこのチャンスでいかにいい判断をして入るかのタイミングは改善したい」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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