「家系」ではなくもはや「民家系」?! 昭和24年から続く新潟・糸魚川のレジェンド「あさひ楼」
新潟県はご当地ラーメンがたくさんある県として有名だ。
「長岡生姜醤油ラーメン」「燕三条背脂ラーメン」など全国的にも知られるご当地ラーメンの宝庫である。
総務省の発表した昨年1年間の家計調査(全国の県庁所在地と政令指定都市が対象)の結果によると、「中華そば」にかけた外食費用で新潟市が1世帯あたり1万3734円となり、王者・山形市を300円上回って初の日本一となった。名実ともに全国有数のラーメン県といえる。
そんな新潟県の最西端である糸魚川市に、昭和24年(1949年)から続くレジェンド的なラーメン店がある。
旧能生町というエリアで、閑静すぎる住宅街。
北陸自動車道の能生インターから車で約5分走ると、ナビの指す場所に到着。全く周りにそれらしい店は見えない。
車を停めて、辺りを歩くとその店は現れた。「あさひ楼」である。
外観は完全な民家。しっかり探さないと見逃してしまうぐらいの完全な民家。ここは「家系」ならぬ「民家系」のお店なのであった。
入店すると消毒・検温をして、まず注文を決めて、それから席で待つ。
家の廊下を歩き、生活感のあるお茶の間を横目にお手洗いに行く。お手洗いの奥には座敷があり、そこにもお客さんが座っていた。本当に不思議な空間だ。
こちらが「チャーシューメン」。
チャーシューメンは通常のラーメンより丼も一回り大きい。麺量も多いと思われる。
具はチャーシュー、タマネギ、メンマ。
動物系のじんわり醤油スープに甘めの背脂が浮く。タマネギの上には多めのコショウがかかる。
チャーシューは2種類で柔らかくて美味しい。厨房にはロールチャーシューがドンドンドンと鎮座していて存在感があった。
麺はこれでもかと柔らかくくったくた。このお店の辞書に「麺かため」の文字は存在しない。
これぞ田舎のラーメン!という仕上がりで、雰囲気も込みで最高の体験だった。
年代モノのおかもちがいっぱい置いてあり、歴史を感じる。街と共に生きてきたお店だということがよく分かる。
ご当地ラーメンのくくりには入らないお店だが、こういうお店こそ地方で行きたい。
貴重な体験をすることができた。ぜひ足を運んでみていただきたい。
あさひ楼
新潟県糸魚川市能生4572−1
※写真はすべて筆者による撮影