【自由研究に】商品の売りかたを考えてみよう!マーケティング編
夏休みの自由研究のネタとして、『商品開発部として、新商品を企画してみよう!』と題し、前回はブランディングに特化した内容を、紹介しました。今回は、お子さんが一生懸命に考えた新商品を「どうやって売るか」に注力し、マーケティングに挑戦してみてはいかがでしょうか。
筆者は、学生時代にマーケティングを専攻、営業・販売職を経て、現在のライターの仕事でも、マーケティングはとても役に立っています。商品がないと、そもそも「売れない」ですが、いい商品であっても、戦略がないと「売れる」のは難しいのが現状です。ブランディングと同じくらい大切な、マーケティングについてもお子さんと考えてみましょう。
マーケティングとは?
ブランディングが商品に狙った ”意味” や ”らしさ” を持たせるものだとすると、マーケティングは、売れ続けるための仕組み作りです。ゲームやスポーツでいう、「戦略」と「戦術」にあたり、その2つが一気通貫することで、ブランドの価値にもつながります。では、売れ続けるための仕組みとは、どのように考えればよいでしょうか。
- 商品を売る目的を考える
- どこを狙うか考える
- 戦略を考える
- 戦術を考える
まずはじめに、商品を売る目的を考えましょう。目的とは、「売上アップのため」などと勘違いしやすいのですが、ここでいう目的というのは、「なぜ売りたいのか」という”達成すべき使命”と考えてみましょう。次のどこを狙うかは、ターゲットとする客層のことを指します。戦略は、どういった作戦で、戦術は、どのように戦うかです。
3つのステップから考えるマーケティング
1. ベネフィットを考える
ベネフィットというと、「利益」を想像しがちですが、マーケティングにおけるベネフィットとは、商品を通じて感じてもらいたい感情、すなわち「価値」のこと。価値というのは、商品を使うと便利などの機能的な価値から、安心するなどの情緒的な価値、輝けるなどの自己表現価値があります。
2. 競合を考える
競合というのは、ライバルです。このライバルには、直接的と間接的なものがあります。直接的なライバルというのは、例えば、おもちゃメーカーであれば、他のおもちゃメーカーが直接的な競合にあたります。間接的なライバルというのは、おもちゃを使うと「楽しい」という感情になるのであれば、アミューズメントパークやゲームなど、エンターテインメントにまつわるもの全てが、間接的なライバルとなります。
3. 現状の分析をする
現状の分析には、さまざまな分析方法があり、本来のマーケティングでは、これら全てを行います。今回は、どういった分析方法があるかを紹介したいと思います。
①PEST分析
社会全体で起きていることを把握するため、政治・経済・社会・技術の視点でプラスとなった影響、マイナスとなった影響、中立的な影響を考えます。政治であれば、政治方針や政権の動向、法・条例・規則の変更、支援制度、グローバルな問題など。経済は、景気・物価・消費動向・雇用情勢など。社会は、人口動態の変化、トレンド、世論・風潮など。技術は、新技術や革新的な技術などを参考に、商品に関連する影響をそれぞれ考えてみましょう。
②3C分析
顧客・競合・自社の視点で、強みと弱みを考えてみましょう。
③ファイブフォース分析
潜在的な新規参入者、売り手(供給業者)、業界内の競合、買い手(消費者)、代替製品・サービスの視点で、業界の魅力度や現状を分析します。
④売上の公式
自社のビジネスモデルを理解すること。
⑤STP分析
市場の細分化、顧客設定、自社の立ち位置を考えます。市場の細分化とは、地理的・心理的・人口統計的・行動的など、どのように市場を細分化し、顧客の特性やニーズを考えたかを明確にします。顧客設定は、どの客層を狙うかなどのターゲットにした理由、強みを明確にします。自社はどのような立ち位置を築くのか、価値、他社と比較した際の強みや弱みなどを明確にします。消費者が購入する理由と近い場所に、設定していると有利です。
⑥4P分析
製品・価格・流通・販促の観点から、商品の特徴・コスト・提供方法・PR方法などを考えます。
さいごに
マーケティングにおいて重要な、『分析』の部分が少し難しいかもしれません。その場合は、身近にある商品を上記の点を意識し、分析するところから始めてみると、よいかもしれません。 ”推し" をマーケティング視点で分析してみるのもよいでしょう。