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ウクライナ軍、ロシア侵略直後から破壊した戦車4000台突破「ロシア軍に勝ち平和な暮らしを取り戻す」

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

約6か月で1000台の戦車破壊

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ウクライナ軍では2022年2月24日にロシア軍に侵攻されてから殺害したロシア軍の兵士の数、破壊した戦車、戦闘機など兵器の数をほぼ毎日公表している。

ウクライナ軍によると2022年2月24日から2023年6月21日までにロシア軍の戦車4000台を破壊した。ウクライナ軍は2022年7月にロシア軍の戦車2000台を破壊、5か月後の2022年12月21日までに3000台を破壊していた。約6か月で1000台のロシア軍の戦車を破壊した。

ウクライナ軍は公式SNSで「beat one's swords into plowshares」(戦いをやめて平和な暮らしに戻る)という英語の表現を使って「WE beat THEIR tanks into plowshares...」とウクライナ軍がロシア軍を倒して平和な暮らしを取り戻すのだという意気込みをアピールしていた。

ロシア軍の戦車の多くはウクライナ軍のミサイルやドローンで攻撃されて破壊されることが多い。小型民生品ドローンに搭載された爆弾を投下されたり、爆弾を搭載した神風ドローンで戦車に突っ込まれたりしている。

ウクライナ軍の偵察監視ドローンが戦車を探知したら、ミサイルを撃ったり、神風ドローンで攻撃している。神風ドローンの場合は戦車を探知したらすぐに攻撃することができる。戦車は上空からでも目立つのでドローンに探知されやすいし、大きいので攻撃もしやすい。そのためロシア軍はドローンは探知したらすぐに迎撃して破壊するか機能停止する必要がある。

ドローンに見つかって攻撃されることを察知したら、戦車だけ置いてロシア兵は上空からの攻撃を回避するために逃げることが多い。そのような置き去りにされたロシア軍の戦車にもドローンで爆弾を投下して徹底的に破壊している。ロシア軍が戻って来ても戦車は再利用できなくなっている。

ドローンに搭載した爆弾の量によっては戦車を全壊することができない場合もある。だが一部を破壊するだけでも戦車を利用することができなくなるので効果がある。

ウクライナ軍ではドローンでロシア軍の戦車を破壊した動画もよく公開して世界中にアピールしている。ロシア兵が逃げ回っている様子もウクライナ軍のドローンが上空から撮影してよく公開している。

▼4000台の戦車を破壊したことを報告するウクライナ軍の公式SNS

▼ドローンから置き去りにされたロシア軍の戦車を爆弾投下で破壊

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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