Yahoo!ニュース

猛練習は勝利にどう繋がる? サンウルブズ流大新キャプテンが語る。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
日本代表でも若手のリーダー格。(写真:FAR EAST PRESS/アフロ)

 国際リーグのスーパーラグビーへ日本から参戦するサンウルブズは、1月28日、発足3季目に向け事前合宿を始めた。

 2月2日まで大分県別府市で、3日から8日までは福岡県北九州市でキャンプを張り、そのほとんどの日で朝6時台スタートの朝練習を皮切りに1日3度のセッションを敢行。昼休みを挟んで2度組まれたセッションでは、実戦練習の締めに走り込みやサーキットトレーニングを採り入れる。身体的な負荷をかけた。

 日本代表の指揮官も兼ねるジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチは「きついことをして切磋琢磨すれば、選手たちは早く結束できる」。一致団結してタフな試合をものにするために、試合以上にタフな練習を。そんなキャンプの意図を選手の立場で語るのは、流大である。

 現在25歳の流は、国内ではサントリーに所属。入社2年目の一昨季からキャプテンとなり、日本最高峰のトップリーグと日本選手権でともに2連覇した。接点から球をさばくスクラムハーフを務め、昨春には持ち前の判断力を長所に日本代表デビューも果たしている。開幕時からのサンウルブズ入りは今季が初めてだが、ヴィリー・ブリッツとともに共同キャプテンを任されていた。

 以下、2月5日の午後練習後の共同取材時での一問一答(編集箇所あり)。

――ここまでのトレーニングについて。

「ハードな練習もお互いに声をかけ合いながらやっていて、雰囲気もいいです」

――確かに、先ほどサーキットトレニーニングが終わったら皆が激励し合っていました。そうするよう、意識づけているのですか。

「いや、全然そんなことはなく。外国人選手が率先してそういうことをしてくれますし、僕らも乗っかって、そうしています」

――ブリッツ選手との共同キャプテン。お互いの立ち位置は。

「それぞれの役割を決めないで、模索している段階というか。これから徐々にお互いの特性を知っていくでしょうけど、いまはお互い自分らしくやっている感じです」

――キャプテンとして意識したいこと。

「色々な国籍の選手がいるので、オフフィールドでのコミュニケーションを取ってお互いを知ることが大事。しっかり、喋っていこうと思っています。初めて一緒にプレーする選手もいるので、その強みは練習しながらわかっていきます」

――外国人選手が多いチームでのキャプテン。サントリーの時以上に意識することはあるのですか。

「いや、そんなに意識することはないです。外国人選手は使う言葉が違うだけで、日本人に関わろうという意識、チームのために戦おうという気持ちも強い」

――チームは5位以内を目標としていますが、今度入るオーストラリアカンファレンスは強豪も多いです。

「トップ5は簡単なことではないですが、可能な目標だとも思っています。過去2年は60、70分頃までリードしていて最後に逆転される試合もあった。ここで最後にプッシュして勝ちきる力をつけなくてはいけないので、きょうも最後にあったきつい練習をプッシュできるよう、引っ張っていきたいと思います」

 前年までなら惜しくも黒星を喫していたような試合で白星を取れば、星取表に変動を加えられる。その実現のためには、試合終盤を戦いきるタフさを猛練習で身に付ける。そんなロードマップを理解したうえで、グラウンドへ向かっていた。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

すぐ人に話したくなるラグビー余話

税込550円/月初月無料投稿頻度:週1回程度(不定期)

有力選手やコーチのエピソードから、知る人ぞ知るあの人のインタビューまで。「ラグビーが好きでよかった」と思える話を伝えます。仕事や学業に置き換えられる話もある、かもしれません。もちろん、いわゆる「書くべきこと」からも逃げません。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

向風見也の最近の記事