Yahoo!ニュース

台風8号 異例の逆カーブで関東や東北に接近へ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風6号と台風8号の雲の様子(ウェザーマップ)

台風8号が発生、異例の逆カーブで列島に接近へ

台風8号の予報円(ウェザーマップ)
台風8号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁)

オリンピックの開会式が行われている頃、昨夜23日(金)午後9時に日本の南東の海上で、新たな台風8号が発生しました。

きょう24日(土)午前3時発表の最新の予報円では、今後北上した後、北緯30度あたりから西寄りにカーブし、やや発達しながら、27日(火)頃、関東や東北地方に接近してくる見通しです。その後日本海へ抜け、温帯低気圧に変わる予想となっています。

通常、日本の東海上では日本から離れるように遠ざかるのが一般的ですが、今回はなぜ、このような異例に逆カーブをしながら列島に接近してくるのでしょうか?

そびえ立つ太平洋高気圧が壁に

太平洋高気圧と台風8号の予想(ウェザーマップ)
太平洋高気圧と台風8号の予想(ウェザーマップ)

台風8号が異例の逆カーブをするのは、その行く手を遮るように太平洋高気圧が強まるためです。いわば壁のようにそびえ立つ太平洋高気圧にブロックされ、押さえ込まれるように北から西へ西へと通常とは逆にカーブし、列島に接近してくることになるのです。

実は5年前の2016年にもこれと同じような状況で、台風10号が8月30日に太平洋側から岩手県に上陸し、大雨などによる大きな災害が発生しました。この時の台風10号は大型で強い勢力での襲来でしたので、今回の台風8号はここまで危険度は高くはならないと思われますが、油断はできません。

27日(火)に最接近か

雨や風の予想(ウェザーマップ)
雨や風の予想(ウェザーマップ)

台風8号の予報円と勢力や位置にブレはありますが、最新のコンピュータによる台風8号の27日(火)午前6時の予想が上図です。比較的コンパクトながらもしっかりとした渦を巻きながら関東に接近している様子がうかがえます。

まだまだ勢力予想やコース取りなどが不確実な状況ではありますが、台風8号が接近する地域では強風(暴風)や激しい雨のおそれがあり、今後も最新情報に警戒が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

杉江勇次の最近の記事