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東方神起、復帰後初オリジナルアルバムに韓国ファンも注目。その背景にあるものとは

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
都内の地下鉄で見かけた広告(著者撮影)

9月19日にニューアルバム『TOMORROW』をリリースしたK-POPのスーパーデュオ・東方神起。今作は、ユンホとチャンミンの2人が約2年間の兵役を終えて昨年8月に活動再開後、初となるオリジナルアルバムとなる。

それだけに日本のファンの間でも話題となっているが、韓国でもこのアルバムへの関心は高い。

「東方神起、ニューアルバムのビジュアルとヒット曲のNEWバージョンに“大騒ぎ”」(『ニュースカルチャー』)など、メディアでも取り上げられており、韓国大手ポータルサイト『NAVER』で検索すると、今作を紹介するファンのブログなども多数ヒットする。

最近はバラエティ番組でユンホが母校を訪問したことも話題になるなど、東方神起は韓国でも衰えぬ人気を誇っているが、韓国ファンたちは、日本でリリースしたニューアルバムにも大きな関心を寄せているわけだ。

(参考記事:【話題】東方神起ユンホ、懐かしの母校を訪問。校舎にはユンホの壁画や銅像が…!!

その背景には、これまで東方神起が日本でリリースしてきた音盤が大きな反響を集めてきたこともあるだろう。

デュオ体制でも受賞歴は多数

振り返れば、東方神起は2005年の日本デビュー以来、『BREAK OUT!』(28.9万枚)や『Why?(Keep Your Head Down)』(28.6万枚)など、数多くのヒット曲を輩出してきた。

2014年には、シングル総売上枚数が408.8万枚を突破し、海外アーティスト歴代最高記録を塗り替えたことは、ファンの間でもよく知られていることだろう。

また、東方神起の音盤は、さまざまな音楽賞も受賞してきた。

2008年にはシングル『どうして君を好きになってしまったんだろう?』が日本レコード大賞優秀作品賞を受賞、2010年にはアルバム『BEST SELECTION 2010』が日本ゴールドディスク大賞のザ・ベスト5アルバムに選ばれるなど、数々の賞を受賞している。

もちろん、2011年に5人体制から現在のデュオ体制になってからも受賞歴は多い。

2014年には、日本ゴールドディスク大賞で『TIME』が“今年のアルバム賞”、ベスト3アルバム賞に輝き、『Catch Me-If you wanna-』が今年のダウンロード賞、『東方神起 LIVE TOUR 2013 ~TIME~』がベスト・ミュージックビデオ賞を受賞。

翌2015年にも、同賞で前年と同じ4賞を受賞し、『TREE』と『WITH』の2作がBest3 Album賞にも輝いている。デビューからさまざまな紆余曲折があった彼らだが、その困難を楽曲で吹き飛ばしてきたわけだ。

これまで日本で発表してきた音盤が、数多くの記録を樹立し、さまざまな音楽賞も受賞してきた東方神起。

東方神起は日本での活動が韓国メディアで取り上げられることも多いが、こうした日本での反響も、「東方神起、“日本ゴールドディスク大賞”5冠王…韓流元祖の“威厳”」(『マネートゥデイ』)、「東方神起、日本で海外アーティスト歴代シングル総売上枚数1位の快挙」(『スポーツ・ソウル』)など、その都度メディアで報じられてきた。

(参考記事:韓国カメラが撮った!! 追い続けた!! スーパーデュオ「東方神起」成長の記録

こうした流れのなかで、韓国ファンも今回のニューアルバムに関心を寄せているのだろう。

“規制騒動”もあったが…韓国でも高評価

もっとも、東方神起が韓国で発表した音盤が高い評価を得てきたことも、韓国ファンの注目を集めている一因だろう。

例えば2006年には、韓国でもっとも伝統のある音楽授賞式とされるゴールデンディスクアワードで、自身3枚目となる正規アルバム『"O"-正.反.合.』が大賞を受賞。

2008年には、4枚目の正規アルバム『The 4th Album `MIROTIC`』がMnet KM Music Festivalで“今年のアルバム賞”を受賞している。

また、CDの売上枚数も記録的だ。例えば2006年には、アルバム『"O"-正.反.合.』が34万枚以上を売り上げ、年間チャート1位を記録していた。

デビュー10周年を迎えた2013年末に所属事務所のSMエンターテインメントが発表したところによると、日本や韓国などで発売された東方神起のアルバム累積売上総数は、同年までだけでも1100万枚に達したという。

アルバムの累積売上枚数が1000万枚を突破したのは、K-POPボーイズグループとしては東方神起が史上初めてだというからすごい。

過去には美人作詞家として知られるキム・イナが作詞した楽曲が韓国の青少年保護委員会の規制を受けるなど、楽曲をめぐってひと悶着があったこともあるが、そんな騒動もどこ吹く風である。

(参考記事:東方神起の歌が有害指定?韓国の美女作詞家キム・イナが明かす仰天エピソード

その人気は活動再開後も衰えておらず、今年3月にリリースした8枚目の正規アルバム『‘New Chapter #1 : The Chance of Love’』も、“韓国版ビルボード”とされるガオンチャートのウィークリーチャートで1位を記録していた。

日本でも韓国でも、音盤が高い評価を受けてきた東方神起。

そんな東方神起がリリースしたニューアルバムには韓国ファンも大きな関心を寄せているが、復帰後初のオリジナルアルバムがどのような反響を呼ぶか、引き続き注目していきたい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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