とんかつ割引に替え玉無料! 飲食店で広がる「選挙割」とは?
投票に行くとサービスが受けられる「選挙割」
10月27日投開票の衆議院議員選挙に対して、全国の飲食店や企業などが参加する「選挙割」という取り組みをご存知だろうか。「選挙割」とは投票所で申告すると受け取ることができる「投票済証明書」などを店舗で提示すると、割引などのサービスが受けられるというものだ。
最初の呼びかけは2012年の衆議院議員選挙で、株式会社ワカゾウが横浜市を中心に社会貢献で行った企画「センキョ割」が発端。市民や学生らでつくる「全国センキョ割実施委員会」が主催となり、賛同する店舗や企業、さらにはエリアも拡大し、今や全国にその活動は広がりをみせつつある。
「選挙割」は投票率の低下が叫ばれる中で生まれた、投票や政治参加への啓蒙が主たる目的の社会活動。実際、この活動をきっかけに初めて投票所に足を運んだという人も少なくなく、「選挙に関心を持ってもらう」「投票所に足を運んでもらう」という活動の目的は浸透しつつある。
さらに飲食店など参加する企業にとってもメリットは大きい。消費者に対して政治への関心を高め投票行動を促すことは社会的意義があり、社会貢献の一端を担うという企業イメージのアップにも繋がるほか、社会的に注目が集まっている選挙という一大イベントに関連させることで、独自にイベントを立てるよりも遥かに低予算で訴求力があり、効率良く新たな来店動機を生み出すことが出来るのだ。
様々な飲食店で取り組みが進んでいる
ラーメンの人気チェーン店『博多一風堂』では、2016年の参議院議員通常選挙より「選挙割」を実施。全国の店舗で10月27日から29日まで、店頭で「投票済証明書」を提示すれば、替玉や玉子のサービスなどを受けることが出来る。
とんかつ店を都内などに展開する『平田牧場』では、2019年の酒田市長選挙で初めて「選挙割」サービスを開始。今回の衆議院選挙では「金華豚厚切りロースかつ膳」を飲食店で500円引き、物販店で300円引きで販売する。
他にも個人店をはじめ数多くの飲食店や物販店、商店街、地方自治体などが「選挙割」の活動に参加している。詳しくは『センキョ割 全国版』のホームページを参照して頂きたい。
投票に行ってお得なサービスが受けられる「選挙割」。地域によっては投票済証明書が無い地域や配布終了の場合もあるので、「今回の選挙だと分かる投票所の写真」の提示でもサービスが受けられる場合もあるので、不明な場合は各店舗に尋ねて欲しい。
政治に不信感と諦観の思いがはびこる今の日本だからこそ、一人ひとりが自分ごととして選挙に行くことが重要だ。国や自治体の呼びかけだけではなく、「選挙割」のように民間からもアクションを起こすことで、今後ますます選挙や政治に関心を持つ人が増えることを願ってやまない。
※写真は筆者によるものです(注釈のあるものを除く)。
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