【動物って面白い】なぜ、イヌはソファーの奥に骨を隠すのか?
コロナ禍なので、リモートワークの人が増えています。そして、今年は、積雪量も多いので、家で過ごす人も多いでしょう。
飼い主の八木さんに「うちのジャック(イヌの名前)が、ソファーの背もたれと座るところの隙間に、オヤツであげた骨を隠していたのです。やめさせたいの。どうすればいいですか」と相談を受けました。
八木さんは、清潔に暮らしていたのに、ソファーを掃除していたら、イヌのよだれがついた大き目の骨が出てきて、悲鳴をあげたそうです。
今日は、なぜ、イヌがソファーに骨を隠すのかとその対策方法を考えましょう。
どんなときに、イヌは骨をソファーに隠すのか?
どんな犬でも、骨を隠すわけではないですが、狩りの本能が根強く残っているとこのような行動をします。骨でなくても、イヌは大き目のオモチャやオヤツも隠します。以下のような条件のときにするといわれています。
・満腹なとき(空腹だと隠したりせずにオヤツや骨は食べてしまいます)
・硬いもの(骨などはそれにあたります。軟らかいものは口で運びにくい)
なぜ、イヌは骨をソファーの奥に隠すのか?
犬の祖先といわれているオオカミの行動を見ていきましょう。
オオカミは、群れ社会の動物です。しかし、ネズミ、ウサギぐらいだと一匹で森に行き、狩りをして食べてしまいます(オオカミは1回に10キログラム、1日に30キログラムもの肉を平らげます)。
しかし、大型の動物(クマやウシ、そして大きなシカ)などは、群れでも食べきることができないことがあります。ほっておくとカラスやハゲタカに食べられるので、それから守ために、埋めるという行為をします。
□埋める場所
・捕獲したところ
・くわえて持って帰り、自分の巣
□なぜ、そのまま置いておかないで埋めるか?
もちろん、他の動物に食べられないことと、それに加えて土の中に埋めておくとハエやウジが肉にたかるのを防ぐ効果もあります。
□オオカミの埋め方
オオカミは、前脚で穴を掘ります。十分に大きくなったときに、くわえてきた肉をそのまま穴に入れて中に落として、あとは鼻づらで土を押します。土をかけた後にも鼻づらで押し固めそして、立ち去ります。土をかけるときは、前脚は使わず、鼻づらだけです。
上述のようにオオカミがするので、オオカミが祖先であるイヌもこのようなことをするのです。
イヌを飼っている人は、お気づきかもしれませんが、鼻づらで土をかけるというようなことを室内犬でもしているのです。そのことを次に説明します。
ドッグフードがまだ残っているのに、イヌが鼻づらでお皿を押すのはなぜか?
イヌにドッグフードをあげたときに、食べ残すこともあります。その場をすぐに立ち去る子もいます。
それ以外に、鼻づらでドッグフードの皿をぐいぐいと押す子もいます。それは、オオカミが骨を埋めている行為と同じなのです。そうするイヌは、もうお腹が一杯で、食べることができず、穴に埋めたいと思っているのです。
室内には、もちろん土もありません。そしてカラスもハゲタカもいませんが、イヌの中には、そのようなオオカミの習性が残っている子がいるのです。
イヌが、鼻づらでドッグフードがまだ残ったお皿を押していたら土に埋めているつもりだと考えてみてください。
イヌがソファーの奥に隠すことをやめさせるには?
満腹のときに、大き目のオヤツや骨はあげないようにします。空腹時だと、オヤツなどを隠すことはしないで、その場で、食べてしまいます。
ドッグフードが入っているのにそのお皿を鼻づらで押しだしたら、飼い主は怒ったりせずに、優しく見守ってあげましょう。規定量を入れているのに、あまり食べなく、この行為をするときは、なにか病気が隠れているかもしれませんので、かかりつけの動物病院に相談してみてください。
お部屋時間が増えるこの時期は、イヌの行動をじっくり観察して、この行動の意味はどういうことかを考えるのも興味深いことです。
相談をしにきた八木さんは、イヌのこのような行動学を知って、より愛犬が愛おしくなったそうです。