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【秋田県大仙市】大仙最古の食堂?花火通り商店街の老舗食堂『大来軒』の天ぷら中華とは?

KANEYANライター/地域クリエイター(大仙市・横手市・仙北市・仙北郡)

創業は1930年代!花火通り商店街の老舗食堂『大来軒』とは?

久しぶりに大曲駅前の「花火通り商店街」を歩いた。この通りは高校生の通学路にもなっているため、私も学生だったころは毎日のように歩いたものだが、ごめん、それはもう20年も前の話だ。

花火通り商店街
花火通り商店街

花火通り商店街は学生の通学路でもある
花火通り商店街は学生の通学路でもある

当時「サンロード商店街」と言われていたこの通りは、いつの間にか「花火通り商店街」という名称に変わった。大曲駅前の顔だったデパート「ジョイフルシティ」は閉店し、その代わりに当時は無かった新しい店も増えた。

都会のように圧倒的な速度ではないけれど、大曲の街並みも緩く穏やかに少しずつ変わっている印象だ。

大来軒
大来軒

そんな花火通り商店街の真ん中で、変わらず愛され続ける一軒の食堂がある。昭和の時代から続く老舗の『大来軒』である。

この食堂を訪問するのは初めてだったが、暖簾をくぐると2名の先客がいた。昼過ぎの遅い時間だったが、いずれも年配のお父さんが新聞や雑誌片手にラーメンを啜っている。私は年季の入った椅子に腰を下ろし、壁に掲げられたメニューに目をやった。

品書き

品書き
品書き

中華そば:450円、天ぷら中華:530円、肉入り中華:570円、天ぷら肉入り中華:650円、サッポロみそ(しお):530円、天ぷらうどん(そば):480円、肉入りうどん(そば):520円、冷やし中華:700円など麺類一本勝負で激安なメニューが並ぶ。

今回私が注文したのは天ぷら肉入り中華である。この食堂の中ではゴージャスな部類に入る一品だが、それでも650円とラーメンとしてはかなりリーズナブルだ。

あっさり系の最高峰!郷愁を誘う『大来軒』の天ぷら中華とは?

天ぷら肉入り中華:650円
天ぷら肉入り中華:650円

天ぷら肉入り中華が到着。丼の中で楕円形の大ぶりな天ぷらが異彩を放っている。ニューフェイスなラーメン屋さんには無い昔気質のオーラを感じるノスタルジックなラーメンだ。

天ぷらとスープが相性抜群!
天ぷらとスープが相性抜群!

一見ラーメンとミスマッチに思えるこの天ぷらだが、実はスープとの相性が抜群に良い。スープの中でほぐれていく天ぷらをレンゲで掬いながら感じる旨みと郷愁。チャーシューは薄めだが食べごたえがあり、海苔の上に乗った小さなナルトもなんだか嬉しい。スープの味はあっさり系の醤油ベースだが、単なるノスラーではない味わい深い一杯に仕上がっている。

昭和初期から令和の時代へ!時をかける花火通り商店街の老舗食堂とは?

「新しい奇麗な店には敵わないから、ウチは古さで勝負よ」とちょっぴり返答に困る意気込みを話してくれたのは、食堂を切り盛りする店主のお母さんだ。ちなみにこちらの食堂の創業はなんと昭和9年頃で大仙エリア屈指の歴史ある食堂なんだとか。1930年代から続くこの食堂を守っているお母さんは3代目になるそうだ。

店を見守る大黒様や恵比寿様もかなりの歴史があるようだ
店を見守る大黒様や恵比寿様もかなりの歴史があるようだ

2010年頃に新しくなった店内は清潔感があるが、随所に昭和から続く老舗食堂ならではの歴史を感じる。この大黒様や恵比寿様も昭和の時代から長年に渡ってこちらの食堂を見守っているようだ。

昭和48年に撮影された現在の花火通り商店街
昭和48年に撮影された現在の花火通り商店街

店主のお母さんが1枚の写真を見せてくれた。そこに映るのは今から半世紀近く前の昭和48年に撮影された、現在の花火通り商店街の様子だ。写真には当時の大来軒もしっかりと収まっている。

「店を続けてほしい」

こちらの食堂を愛する街や常連さんのそんな声に応えて、今日も歴史ある食堂で店主のお母さんは腕を奮う。時をかける天ぷら中華。花火通り商店街の景色は変わろうとも、変わらぬ確かな味を求めるお客さんで、今日も老舗食堂の暖簾が揺れている。

【店舗情報】
食堂 大来軒
住所:秋田県大仙市大曲栄町9-25
営業時間:11時~18時
定休日:日曜日
電話番号:0187-62-0530

ライター/地域クリエイター(大仙市・横手市・仙北市・仙北郡)

大仙市在住のWEBライター。趣味は酒場巡り。現在はYahoo!で地域情報を発信しているほか、秋田市のフリーペーパー「あおぽ」でグルメ記事の執筆や「大仙経済新聞」の運営にも携わっています。

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