「騒音おばさん」北朝鮮との和解は日本で住むことの安心感を劇的に向上させる
●今朝の100円ニュース:北朝鮮が拉致再調査(中日新聞)
街中を歩いていると、明らかに「危険な臭い」を発している家がある。家の内外が粗大ごみのような物で溢れ、植木や雑草は伸び放題。それでいて生活している息遣いだけはしっかりと伝わってくる。なぜか数十もの風鈴が軒下に吊るされていて、鳴り響いている場合もある。
落ち葉や虫、悪臭、騒音などに悩まされる隣家には同情する。苦情を伝えたこともあっただろうし、自治体や警察に相談したことも一度や二度ではないだろう。しかし、危険な隣人は聞く耳を持たず、逆ギレしてさらに行為をエスカレートさせた。「騒音おばさん」のケースを思い出す。最悪の場合は、君子危うきに近寄らずで引っ越しをするしかないだろう。
1950年以後の日本においては、北朝鮮は「騒音おばさん」のような存在であり続けた(1945年以前は立場が逆だったと言われても仕方がない)。頭越しにミサイルを撃って来たり、家族(国民)を拉致したり……。あまりにひどいけれど、おばさんのお父さん(中国)はすごく怖い人だし、亡くなった叔父さん(ソ連)はもっと怖い人だったので下手なことはできない。叔父さんの息子(ロシア)は何を考えているのか今でもよくわからない。
おばさんと袂を分かった兄弟(韓国)はよりひどい目に遭っているらしい。一緒に警察(アメリカ)に訴えてきたけれど、ほとんど改善は見られなかった。警察は騒音おばさんがいることでこの界隈(東アジア)での存在感をアピールできているので、根本的な解決は望んでいないのかもしれない。
家系図を見てみると、おばさんと僕たち(日本)は遠い親戚らしい。少なくとも警察の人たちよりは近い血筋だ。150年ぐらい前までは、おばさんのお父さんの下でけっこう仲良く暮らしていたらしい。その後はむちゃくちゃ仲が悪くなり、同族嫌悪のような関係が続いてしまっているけれど……。
おばさんにはおばさんの言い分があるようだ。でも、はっきり言って理解も信用もできない。今朝の中日新聞によると、拉致した家族を再調査して帰すらしいけれど、本気でやっているのかは大いに疑わしい。ただし、最近はめっきり老けてきたおばさんが気弱になっていることは確かだ。気を許し過ぎずに手を差し伸べて、おばさんを自暴自棄にさせず、最後は兄弟(韓国)に引き取ってほしい。
国家は民家のように引っ越すことはできない。お互いに許しがたい思い出のある隣人(というか親戚)たちとも話し合いだけは続けて、流血の事態が再び起きないようにしたい。遠くの自治体(ヨーロッパ)のように一体化することは無理でも、ASEANみたいにゆるーくまとまることはできると思う。そのときに初めて僕たちは本当の安らぎを知るだろう。
※「今朝の100円ニュース」はこの100回目をもって終了します。8ヵ月間ご愛読をありがとうございました。来月からは「ポスト中年の主張」という新しいニュースコラムを始める予定です。