韓国外務省「ウクライナで自国人2人死亡」情報を確認中 現地参戦の元軍人YouTuberの安否は?
22日、韓国政府外交部(外務省)がある発表を行った。
「最近、とある関係国からウクライナ義勇軍に参加している韓国人2人が死亡したという諜報を受け取った。現在、多様な経路から事実確認中」
さらに加えて、ウクライナ現地の韓国人の状況を公開している。
「現在、韓国政府の許可なしに現地に滞在している韓国人は4人と理解している」
そして韓国外務省はメディアを通じて、ウクライナにいる自国人にメッセージも発信した。
「ウクライナ東南部地域での交戦激化などにより、身辺安全に深刻な心配があるため、ウクライナに無断で入国した韓国国民はすぐに出国していただくことを再度お願いする」
現在、韓国政府側も現地滞在中の韓国人とのコンタクトには苦慮している状況だ。KBSは「韓国にいる家族を通じ、連絡を取っている。一部とはまったく連絡が取れていない」と伝えている。
「軍人YouTuber」の安否は?
そうなると、韓国メディアが気にかけるのはウクライナ外国人部隊に参加している「イ・グン氏の安否」だ。3月6日にウクライナ入りを宣言以降、幾度かSNSで情報をアップしてきたが30日を最後に現地からの自身による情報発信がない。韓国生まれ、アメリカ育ちの38歳で、元韓国海軍特殊部隊出身にして、YouTuberという人物だ。
彼については3月6日以降、かなりの数の噂が韓国で飛び交い、そのうちの2つは「ウクライナで交戦中に死亡」「ヤーヴォリウ基地爆撃で死亡」といった死亡説もあった。
しかし今回はすぐにイ・グン氏の家族側から「死亡否定」が出た。「スポーツ京郷」が本人の韓国にいる家族とカカオトークで連絡を取り合い、「2人が死んだと聞いている。グンは健康」と答えた内容をスマートフォンのキャプチャつきで報じている。
また、KBSは現地に派遣した取材陣を通じ、ウクライナ義勇軍側と電話で自国人の安否確認を行った。ウクライナ側の返答は以下の通りだったという。
「個別の参戦者の生死の情報は明らかにしないという方針に従い、韓国人に対する情報は、確認も否定も出来ない」
ただし、イ・グン氏に関しては「今日も大尉と対話したし、健康状態も良好だという点は確認できる」としている。
- KBSによる「ウクライナ側への事実確認」報道
英雄か、迷惑か…先に韓国に帰国した当事者の「答え」
やはり、「元軍人YouTuber、ウクライナ参戦」の行為はこの問いを投げかけている。
「正義を貫いているのか、はたまたお騒がせ行為なのか」
ウクライナ情勢に関し様々な国際協力があるなか、実際に現地で戦う行為は称賛されるべきものなのか。あるいは政府が渡航を禁止するなか、ウクライナに渡ることは違反で、さらに他者に心配をかけることも迷惑なのか。
当事者による「答え」がひとつ出てきた。
イ・グン氏とともにウクライナ入りし、4月16日に帰国した人物による発言だ。
- ローガンの「芸名」でも知られるキム・ジュニョン氏
キム・ジュニョン氏はイ・グン氏のYouTubeコンテンツに出演し、ブレイク。「ローガン」のニックネームでも知られる元韓国海軍軍人だ。自身ものフォロワー22万人を有するYouTubeでもある。
彼の答えは「平謝り」だった。18日にSNSを通じて謝罪文を発表した。
「最近、メディアで知られている通り、私は許可なしにウクライナに入国してはならないという点を知りながらイ・グン大尉とともにウクライナに入国しました。現地には3月6日から14日まで滞在しました(中略)16日に韓国に帰国後、警察の捜査に誠実に応じ、現在は検事の方の処分を待っているところです」
捜査については「容疑をすべて認めた」と明らかにした。また「再び私の行いにより多くの苦労と心配をかけた多くの方々に心からの謝罪をいたします」としている。
そして16日に帰国した理由として「18日の父のガンの手術日に合わせた」点を理由に挙げている。
(了)