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一生に一度は訪ねたい「昭和レトロな温泉街」5選

高橋一喜温泉ライター/編集者

昭和レトロがブームである。旅の目的地として、昭和の懐かしさを感じられる観光地を選ぶ人も多いという。

その点、古くから温泉が湧き続けている歴史ある温泉地には、現代の日本人が懐かしさを覚えるようなレトロな街並みや浴室が残る。そんな昭和レトロな温泉街は、浴衣と下駄でのそぞろ歩きが似合う。

そこで今回は、「昭和レトロ」の気分を存分に味わえる温泉街を5カ所紹介したい。

渋温泉(長野県)

渋・湯田中エリアは10以上の温泉地がひしめく一大温泉郷。その多くに共同浴場が存在する。なかでも渋温泉街の石畳は情緒あふれる。9つの共同浴場をめぐる「外湯めぐり」が名物で、宿で鍵を渡された宿泊客は自由に入浴できる。共同浴場だけでなく、歴史を感じる木造旅館や土産物屋、飲食店などが並び、浴衣姿の入浴客がそぞろ歩きを楽しむ光景が絵になる。

野沢温泉(長野県)

標高600mに位置する情緒あふれる温泉街には、旅館や土産物屋、飲食店などが並び、徒歩での散策が楽しい。温泉街には、高温の源泉が湧き出す麻釜などの散策スポットのほか、13の外湯が存在し、無料で利用できる(賽銭箱はあるので寸志は入れよう!)。浴衣姿で外湯めぐりを楽しむ人も少なくない。

伊香保温泉(群馬県)

365段の石段街に旅館や店舗が立ち並ぶ。昔ながらの射的場や昭和感の漂うスナックもあり、タイムスリップした気分にもなる。石段街の脇の路地などいろいろ寄り道をしながら温泉街を散策するのが楽しい。歴史ある源泉「黄金の湯」は、茶褐色の濁り湯が特徴の名湯だ。石段街をのぼりきった先にある「伊香保温泉露天風呂」は気軽に入浴できる。

黒川温泉(熊本県)

静かな山間部に30軒ほどの宿が並ぶ。遊興施設などはないが、日本人なら「なんだか懐かしい」と思えるような日本の里山の原風景ともいえる風景が広がる。ほとんどの宿が風情あふれる露天風呂をもつ。「入湯手形」を購入すれば、宿泊する旅館以外の露天風呂を湯めぐりすることも可能だ(日帰りも可)。浴衣姿で湯巡りをするのが楽しい温泉地である。

三朝温泉(鳥取県)

三徳川に沿って形成される三朝温泉は、日本有数の放射能泉の名湯として知られる。昔はストリップ劇場のあるような歓楽温泉として賑わったが、現在は昭和レトロを醸し出す落ち着いた温泉地である。多くの宿が川に面しているが、湯浴み客が立ち寄る名物が、河川敷にある河原露天風呂。周囲から丸見えの混浴であるが、一度浸かれば解放感抜群だ。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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