文化財の宿も!歴史に浸れる「レトロな温泉旅館」5選
温泉旅行は、歴史を感じる旅ともいえる。歴史を超えて長い間人々を癒やしてきた温泉地には、古き良き日本の原風景が残っている。
その代表格が温泉地とともに歴史を重ねてきた老舗旅館である。昔と変わらぬ情緒で現代人を迎えてくれる。まるで時が止まったようなレトロな雰囲気の中で入浴する体験は、最高の癒やしとなる。
昭和レトロがブームの今、歴史に思いを馳せながら滞在できるレトロな温泉宿が注目されている。そこで今回は、レトロな雰囲気が魅力の温泉旅館を5つ紹介したい。
四万温泉・積善館(群馬県)
『千と千尋の神隠し』のモデルとなったとされる老舗旅館「積善館」の本館は江戸時代の建築で、県の重要文化財。周辺の湯の街情緒も見どころがあるが、昭和5年に建てられた「元禄の湯」は大正ロマンを感じられる浴舎が自慢。5つに分かれた小さな湯船にピュアな透明湯が掛け流しにされている。昔ながらの木造湯宿建築の本館は現在も宿泊棟として現役で、貴重な湯治体験ができる。
積善館
〒377-0601 群馬県吾妻郡中之条町四万温泉 TEL:0279-64-2101
台温泉・中嶋旅館(岩手県)
花巻温泉郷の一角を占める台温泉は、山の谷間に10軒ほどの旅館と日帰り温泉が並ぶ静かな温泉地。台温泉の源泉を引く近くの花巻温泉は超巨大温泉ホテルが鎮座するが、台温泉は対照的に湯治場風情の落ち着いた温泉地である。小規模の温泉が並ぶが、なかでも中嶋旅館は宮大工の手による築100年、木造4階建ての建築が目を引く。岩盤をくり抜いた天然の岩風呂が自慢で、硫黄分を含んだ源泉が掛け流しである。
中嶋旅館
〒025-0305 岩手県花巻市台1-190 Tel:0198-27-2021
角間温泉・ようだや旅館(長野県)
渋・湯田中エリアは10以上の温泉地がひしめく一大温泉郷。そのひとつ、角間温泉は共同浴場の「大湯」を中心に小さな宿が寄り添うように立つ静かな温泉地。木造の旅館や共同浴場など旅情を誘う昭和レトロな空間が魅力だ。まるで時間が止まってしまったかのよう。宿のひとつ、ようだや旅館は木造3階建ての歴史を感じさせる外観。館内も年季は入っているが、清潔感があり、田舎の実家に帰ってきた気分になる。冬はこたつが用意されているのもレトロ感を高めてくれる。宿の浴場はもちろん源泉かけ流しだが、宿泊客限定で「大湯」をはじめ3つの共同浴場を利用できる。温泉三昧にはもっていこいだ。
ようだや旅館
〒381-0402 長野県下高井郡山ノ内町佐野2348 Tel:0269-33-3165
三朝温泉・木屋旅館(鳥取県)
飲食店が並ぶ細い小道の一角にある明治元年創業の老舗宿。3階建ての異彩を放つ木造の建物は、国指定の登録有形文化財に指定されている。館内は長い間改装を重ねたのだろう、まるで迷路のようで味わいがある。温泉もすばらしく、源泉を4つも所有している。なかでも目玉は足元湧出泉である「楽泉の湯」。新鮮なラジウム泉が湯底からぷくぷくと湧き上がってくる。
木屋旅館
〒682-0123 鳥取県東伯郡三朝町三朝895 Tel:0858-43-0521
瀬見温泉・喜至楼(山形県)
新庄市の奥座敷として賑わってきた山あいの温泉地。老舗旅館「喜至楼」の創業は江戸安政年間。本館は明治元年、別館の一部は大正年間の建築と、館内全体にレトロなムードが漂う。ところどころ古くて不便なところがあるが、逆にレトロで趣深いから大して気にならない。浴場は複数あるが、シンボル的存在といえるのがローマ式千人風呂。完成当時は贅をつくした名物風呂であったことが想像できる。時代を経ても味わい深い。
喜至楼
〒999-6211 山形県最上郡最上町大字大堀988