籠池諄子夫人の “発言” 法廷の検事に炸裂「あまり人を泣かしたら…」
6月3日に行われた森友学園の籠池夫妻の補助金事件の第4回公判で、めったに見られない出来事があった。公判終了後、被告である籠池諄子夫人が法廷で検事に話しかけたのだ。傍聴席に誰もいないときに放たれたその言葉は…
何事も想定通りにはいかない籠池夫妻の公判
この日、検察側証人として法廷に立ったのは、森友学園が開校をめざした小学校の設計会社の担当者。公判を前に検事と、1回2時間あまりの“打ち合わせ”を5~6回も重ねていたことを明らかにした。検察側の尋問の持ち時間は90分しかないのに、異例とも言える長時間の“打ち合わせ”を繰り返したのは、証言の“事前練習”ということだろうか?
その3日前の第3回公判では、検察側証人が“悲鳴”を上げた。
「まだ続くんですか?ちょっと気が遠くなった」
異例の7時間に渡る証人尋問で、疲労と緊張が極限に達したようだ。証人には証言台から離れてしばしの休息が認められた。籠池夫妻の公判は何事も想定の範囲では収まらない。
補助金水増しは誰が?
“悲鳴”を上げたのは小学校の設計会社の経営者。夫妻が校舎について「昔の海軍兵学校のように」「戦前の木造小学校のように」と要望していたという証言はいかにもだが、焦点は校舎の工費に応じて出る国の補助金だ。申請業務はこの会社が行い、総工費22億円としていたが実際は14億円だったという。水増し請求は籠池夫妻の指示なのか?それとも設計会社がすべての責任を夫妻に押しつけているのか?そこがポイントだ。
「ぼったくって」「うそも方便」
検察側の尋問で経営者はこう証言した。
●補助金を「多めに取っといて」「ぼったくって」と言われました。「まあ多めに取る作戦で、後で怒られんくらいに」と答えたら「怒られてもかまへん」「うそも方便やね」と言われました。
「うそをでっちあげたわけではない」
これに対し弁護側の尋問にはこう答えた。
●22億円の工費の絵を描いたのは自分です。現実にありうる最大限の見積もりで、うそをでっちあげたわけではありません。住宅ローンなどの関係で多めの見積もりを出すことはこの業界ではままあります。
また、経営者が2年前の特捜部の取り調べに対し、補助金について籠池夫妻に説明したが「たぶん理解はされていないと思います」と供述していたことも明らかになった。
籠池元理事長が「この学校は安倍晋三首相の名を付けるから、いろんな建設業者が協力してくれる」と述べ、建設費を軽減できると見通しを語っていたことも明かした。
「逮捕ありうる」と告げられて取り調べ受けた証人
経営者は、自分が逮捕されることもありうると検事に告げられ、籠池夫妻が起訴された日に、不起訴になったと知らされたという。
法廷で籠池元理事長はじっと経営者を見つめていたが、経営者が視線を向けることはなかった。
諄子夫人の “発言” 法廷で検事に炸裂
3日の公判が終わり、傍聴席から人の姿が消えた後、諄子夫人が検察席の主任検事に近づいていった。5月29日の記事でご紹介した堀木博司検事。特捜部で籠池前理事長の取り調べを担当し、この4月から籠池夫妻の公判を担当している因縁の相手だ。顔つきも体格も厳ついコワモテ検事に、諄子夫人が言い放った。「あまり人を泣かしたらあきませんよ。あの世に行った時困りますよ」
…堀木検事は複雑な表情を浮かべ、何も答えなかったという。
そして恒例、籠池元理事長の、ここで一句。
「無理筋の 検察ストーリー おぼろ月」
検察が組み立てたストーリーはおぼろ月のようにかすんでいく、という思いを込めたそうだ。夫妻と検事、弁護士の法廷対決はまだまだ続く。