今年のCS「サヨナラ引き分け」の珍現象で決まるかも!? パ・リーグに新ルール
今年2月の理事会で決定
パ・リーグのクライマックスシリーズ・ファイナルは、ホークスが連勝して一気に王手をかけた。16日の第3戦での勝利はもちろん、引き分けでもホークスの2年連続日本シリーズ進出が決まる。
この「引き分け突破」について、じつは今年からパ・リーグのアグリーメントが一部改正されているのをご存じだろうか。
今年2月に行われたパ・リーグ理事会における決定事項が、パ・リーグアグリーメントの第1条2-(2)「(CSの)イニング制限」に以下のように加えられた(セ・リーグでは先行導入されている)。
◆後攻チームが勝つか引き分けでステージ勝ち上がりが決定する試合においては、以下の時点でコールド・ゲームとし、後攻チームをステージ勝者とする。
1、 12回表の先行チームの攻撃が無得点で(同点のまま)終了した場合(12回裏は行わない)
2、 12回表に先行チームが得点を記録したが、12回裏に後攻チームが得点し同点となった場合。
4年前の松中選手がきっかけ!?
過去に事例があり、その当事者こそホークスだった。
2011年、ホークスが2連勝(アドバンテージを含めると3勝0敗)で迎えたCSファイナル第3戦。試合は1対1で12回表を迎え、ホークスの守護神・馬原孝浩がライオンズを0点に抑え、この時点で引き分け以上が確定。つまりCS優勝(日本シリーズ進出)を決めたのだった。
しかし、当時のルールでは12回裏も実施(結果は長谷川勇也のサヨナラ打でホークスが勝利)。このケースはチーム内でも確認はされていたが、ホークスにとっては2004年にプレーオフという名でこの制度が導入されて以来苦節7度目の挑戦で初の突破だったこともあり、ナインは狂喜乱舞の状態。12回表を守り切った時点で、大ベテランの松中信彦が“勘違い”でグラウンドに駈け出してしまい、ベンチから「まだまだ」と呼び止められバツが悪そうに戻っていったのだった…。
◆
今年の新たなルールに当てはめれば、12回表を0点で抑えた時点でホークスの「CS優勝」が決まる。
また、12回表に勝ち越された場合、12回裏に同点に追い付けばその時点でコールド・ゲームとなる。つまり「サヨナラ引き分け」という珍現象が起こりうるのだが…。
果たして今年のCSはどのような結末を迎えるのか。