10月25日午前6時に、マリアナ諸島で発生した台風は今年で21号となり、去年の年間17個の台風を上回っています。

ウェザーニュースによると、台風21号（コンレイ）は大型で28日（月）から勢力が急速に拡大し、非常に強い勢力で沖縄に近づくと予想しています。

もしも、11月早々に沖縄に上陸することとなれば、気象庁が統計を取りはじめた1951年から2度目となる「異例の台風」となります。

そこで過去10年において10月中旬以降に、日本に上陸した台風を緊急調査してみました。

10月中旬以降に日本に上陸した台風は5個

過去10年に10月中旬以降に日本に上陸した台風を調べて見ると、2004年の台風23号から2019年の台風19号まで5個でした。

それぞれの台風がどのような状況だったのか、振り返って確認してみましょう。

2004年台風23号（トカゲ・TOKAGE）

• 発生日時：2004/10/13 09:00
• 消滅日時：2004/10/21 03:00
• 最低気圧：940hPa
• 最大風速：45m/s (85ノット)

大雨による河川氾濫、土砂災害や暴風、高波などにより、全国で98人の死者・行方不明者となり、負傷者555人（うち重傷者123人）、住宅の全壊909棟・半壊7776棟・一部破損1万0955棟・床上浸水1万4323棟・床下浸水4万1132棟の被害が発生しています。

2013年台風26号（ウィパー・WIPHA）

• 発生日時：2013/10/10 21:00
• 消滅日時：2013/10/16 15:00
• 最低気圧：930hPa
• 最大風速：45m/s (90ノット)

千葉県・東京都・神奈川県・静岡県で死者40名、東京都で行方不明3名となり、全国の負傷者数は130名となっています。

東京都・宮城県・茨城県・栃木県・群馬県・千葉県・静岡県の7都県で合計86棟が全壊、61棟が半壊する被害が発生。

そのほか、16都県で合計947棟の一部破損、4都県で合計1,884棟の床上浸水、11都県で合計4,258棟の床下浸水の被害をもたらせています。

2014年台風19号（ヴォンフォン・VONGFONG）

• 発生日時：2014/10/04 03:00
• 消滅日時：2014/10/14 09:00
• 最低気圧：900hPa
• 最大風速：60m/s (115ノット)

岩手県から沖縄県までの2府20県で75万3,111世帯（181万923人）に避難勧告が、64世帯（109人）に避難指示が発表され、大きな被害をもたらせた台風です。

消滅した翌15日時点で確認されている死者は3名、負傷者は重軽傷含め94名。住宅被害は半壊3棟、一部破損50棟、床上・床下浸水298棟となっています。

2017年台風21号（ラン・LAN）

発生日時：2017/10/16 03:00

消滅日時：2017/10/23 09:00

最低気圧：915hPa

最大風速：50m/s (100ノット)

上陸時の中心気圧は950hPa、最大風速は40m/s。「超大型」での日本への上陸は、確実な記録の残る1991年（平成3年）以降ではじめての台風です。

また、10月23日に台風上陸という記録は、統計史上一年の中で3番目に遅い台風と記録されています。

人的被害は死者8人、重傷者28人、軽傷者217人。住宅被害は全壊13棟、半壊485棟、一部破損2634棟、床上浸水2794棟、床下浸水5389棟、非住家被害375棟が確認されています。

2019年台風19号（ハギビス・HAGIBIS）

• 発生日時：2019/10/06 03:00
• 消滅日時：2019/10/13 12:00
• 最低気圧：915hPa
• 最大風速：55m/s (105ノット)

静岡県・関東・甲信・新潟県・東北地方などで記録的な大雨となり、甚大な被害をもたらしました。

またこの台風は、昭和54年の台風第20号以来、40年ぶりに死者100人を超える台風となっています。死者数は全国で105名、行方不明者3名、負傷者は375名にものぼっています。

住宅被害は全壊3,229棟、半壊28,107棟、一部破損40,212棟、床上浸水7,524棟、床下浸水21,549棟となっています。

台風21号（コンレイ）は上陸の可能性もある！今後の進路や状況は要確認

25日に発生した台風21号（コンレイ）の進路上の海水面温度は高く、発達に適した環境にあるようで、明後日28日(月)には暴風域を伴い、31日(木)には非常に強い勢力にまで発達すると予想されています。

気象庁が公開している日別海面水温を確認すると、25日時点で以下のように海水面温度は30度～28度と高い状況であるのが分かります。

各国の進路シミュレーション

これはウェザーニュースが公開している、台風21号（コンレイ）の各国による進路シミュレーションです。不確定要素は高いといっても、これを見ると上陸するシミュレーションも多くあります。

10月中旬以降に上陸した5つの台風の被害を見ても、大きな被害になっていることが分かります。

当然、上陸せず接近で終わるかも知れませんが、非常に強い勢力で接近するため石垣島など八重山諸島や沖縄県は特に注意が必要です。

能登半島の支援もおぼつかない状況で、大災害につながることだけは避けて欲しいものです！今後の台風21号の進路や勢力を注視して、早めの台風対策を行いましょう。