【南海トラフ地震|兵庫県被害想定:伊丹市】死傷者500人超!大阪国際空港には震度6弱の揺れが襲う
南海トラフ地震による兵庫県内の被害想定は、2014年(平成26年)6月に公表した内容が最新です。
そのため、県内でどのような災害が起きるのか、知らない方や忘れてしまった方も多いはず。
そこで、地域ごとの被害想定のまとめを、11年ぶりに改めて紹介しています。
今回は、大阪国際空港を擁する『伊丹市における被害想定のまとめ』を紹介します。
伊丹市内の震度別面積率グラフ
上記のグラフは、伊丹市内の震度別の面積率を表したものです。伊丹市内の98.9%に震度6弱の揺れが襲い、0.8%の一部地域に限ってですが、震度6強の揺れが予想されています。
伊丹市の震度分布図
大阪国際空港のほとんどが震度6弱の揺れですが、南東部と空港滑走路の一部に震度6強が発生する予想です。
震度6強と6弱との違いを、気象庁震度階級関連解説表から確認すると、以下のようになります。
・震度6強:立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされ、動くこともできず、飛ばされることもある
・震度6弱:立っていることが困難になる
このように、立つことが困難な揺れが伊丹市内全域を襲うため、警戒が必要です!
揺れによる全壊家屋は279棟
上記のグラフは市町ごとの被害から、独自に作成したものです。兵庫県では「冬5時」「夏12時」「冬18時」の3つの発災時刻で被害を想定しています。
伊丹市では津波による被害はないものの、震度6弱の揺れによっていずれの時間帯でも、279棟が全壊する予想。また、火災による全壊は「冬18時」が106棟と最も多く、合計でも「冬18時」にて396棟が全壊してしまいます。
揺れによる半壊家屋は「夏12時」で3,110棟
揺れによる半壊家屋は以外に多く「夏12時」に発災すると、合計3,110棟に被害がおよびます。
すべての時間帯で、液状化にて372~373棟が被害を受けますが、やはり揺れが原因で2,733~2,735棟が半壊します。
「冬18時」にて27人が死亡する
南海トラフ地震での伊丹市における死者数は「冬18時」にて、27人と最も多い予想です。「冬5時」と「夏12時」では、揺れと液状化で死者数が異なりますが「冬18時」では、揺れ14人・液状化13人とほぼ同数になっている特徴がみられます。
負傷者は「冬5時」が536人と最多
伊丹市では、やはり揺れが大きいため負傷者も多く予想されています。上記のグラフを見ればよく分かりますが、揺れが原因で「冬5時」に地震が起きると536人の負傷者が出るとの予想です。
伊丹市は海に面していないため津波被害はありませんが、市内のほぼ全域に震度6弱の揺れが襲います。
そのため、全半壊家屋は3,506棟が被害を受けます。さらに、死者は最高27人・負傷者は最高536人にものぼります。
ただし、想定から11年経過した現在では、耐震や免震が強化されているため、かなりの減災が期待されるはず。しかし、震度6弱の揺れが市内のほぼ全域を襲うとなれば、大いに注意すべきでしょう。
特に伊丹市には大阪空港という、日本を代表する国際空港があるため、空路へのダメージが心配ですね。