【JAZZ】名門が受け継ぐ“前進するパワー”を浴びる(ヴァンガード・ジャズ・オーケストラ来日公演)
“ジャズの醍醐味”と言われているライヴの“予習”をやっちゃおうというヴァーチャルな企画“出掛ける前からジャズ気分”。今回は、ヴァンガード・ジャズ・オーケストラの来日公演。
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ヴァンガード・ジャズ・オーケストラの結成は1966年。前身となったオーケストラの名前は“サド・ジョーンズ・メル・ルイス・オーケストラ”、通称“サドメル”で、ビッグバンド・ファンはもちろん、ジャズをカジったことがあるなら知らない者はいないというトップ・バンドのひとつである。
1990年にメル・ルイスが亡くなってからヴァンガード・ジャズ・オーケストラと改名。現在に至るまで結成当初からニューヨークの名門ジャズクラブ“ヴィレッジ・ヴァンガード”で毎週月曜日の夜に行なっているライヴが継続中。グラミー賞ノミネートの常連で、2004年にはベスト・インストゥルメンタル・アレンジメント賞、2009年にはベスト・ラージ・アンサンブル・アルバム賞を受賞している。
日本のシーンを活性化させる来日公演
1976年を最後に途切れていた日本公演が再開されたのは2009年のことで、以降はコンスタントに来日してファンを喜ばせるだけでなく、新たなビッグバンド・ファンの増加に多大な貢献を果たしている。
トロンボーン奏者でリーダーを務めるダグラス・パーヴァイアンスの言葉をまとめた『前に進む力』(跡部徹著、2011年刊、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、彼がミュージシャン人生での体験をとおして得た“人生のチャンスをつかみとる47の方法”を書き記したもので、大きな話題となった。
大人数のメンバーを芸術的にも経済的にもまとめなければならないという“困難”に立ち向かうためパーヴァイアンスが経験から得た教訓は、日本のビジネス・パーソンの自己啓発に役立つとともに、彼らの“熱いサウンド”の秘密を解くカギにもなっている。
新作披露で高まる期待
2014年10月にリリースしたばかりの新作『オーヴァータイム〜ミュージック・オブ・ボブ・ブルックマイヤー』を引っさげて今年も日本を訪れる彼らのステージでは、半世紀になろうとするその歴史で受け継がれてきたスピリッツと、常に前進を心がけて研鑽を続けるヴァイタリティをたっぷりと堪能できるに違いない。
なお今年は、高い評価を得ているワークショップも東京と大阪の両方で行なわれる。ビッグバンドの“真髄”が惜しみなく伝授されるという貴重な機会を得て、ますます日本のビッグバンド・シーンが盛り上がることになるだろう。
では、行ってきます!
●公演概要
10月30日(木) 1st 開場17:30/開演19:00 2nd 開場20:45 開演21:30
10月31日(金) 1st 開場17:30/開演19:00 2nd 開場20:45 開演21:30
11月1日(土) 1st 開場17:00/開演18:00 2nd 開場20:00 開演21:00
会場:Billboad Live TOKYO(六本木)
11月3日(月・祝) 1st 開場 15:30/開演 16:30 2nd 開場 18:30/開演 19:30
会場:Billboad Live OSAKA(梅田)
出演:ヴァンガード・ジャズ・オーケストラ:ニック・マルキオーネ(トランペット、フリューゲルホーン)、テレル・スタフォード(トランペット、フリューゲルホーン)、ターニャ・ダービー(トランペット、フリューゲルホーン)、スコット・ウェンホルト(トランペット、フリューゲルホーン)、ディック・オーツ(アルト&ソプラノ・サックス、フルート)、ビリー・ドリュース(アルト&ソプラノ・サックス、フルート)、リッチー・ペリー(テナー・サックス、フルート)、ラルフ・ララマー(テナー・サックス、フルート、クラリネット)、フランク・バジール(バリトン・サックス、バス・クラリネット)、ジョン・モスカ(トロンボーン)、ジェイソン・ジャクソン(トロンボーン)、ルイス・ボニーラ(トロンボーン)、ダグラス・パーヴァイアンス(ベース・トロンボーン)、デイビット・ウォン(ベース)、ジョン・ライリー(ドラム)、マイケル・ワイス(ピアノ)