“湊先生ロス”に贈る『グッド・ドクター』の感動ふたたび、今度は韓国で!
話題の『ぎぼむす』こと『義母と娘のブルース』(TBS系)を始め、7月期の連続ドラマが次々と最終回を迎えている今日この頃だが、今晩は少々物足りない夜を過ごす方々が多いかもしれない。
先週まで放映されていたドラマ『グッド・ドクター』(フジテレビ系)がない“木曜夜10時”だったからだ。
初回視聴率11.5%からスタートし、最終回は12.4%を獲得した『グッド・ドクター』。フジテレビの同枠において全話平均2ケタを記録するのは約4年ぶりの快挙だったそうだが、視聴率好調もさることながら話題性にも富んでいた。
サヴァン症候群という難役を好演した山崎賢人はもちろん、子役たちの演技も絶品。また、SNSなどで「毎回泣ける」といった声が上がるほど感動的なストーリーが反響を呼んでいた。昨今、日本で続いている韓国ドラマのリメイク作品でもあっただけに、今期のドラマの中でも個人的にもっとも注視していた作品でもあった。
(参考記事:【最新版】韓国でリメイクされた日本のドラマを一挙紹介。えっ、あのドラマまで!?)
ただ、全20話で放送された原作の韓国版を10話にまとめただけに、日本版『グッド・ドクター』には少しばかり物足りなさを感じてしまったのも事実だ。
司賀院長の病気のことや小児外科存続など、最終回を見終わってもスッキリしない部分がいくつかあった。だからこそ続編への期待感を膨らませる視聴者も多いと思うが、筆者の周りでは「韓国版『グッド・ドクター』が気になる。見てみたい」という人も多い。
興味深いのは、日本で最終回が放送された9月13日、韓国では奇しくも日本版『グッド・ドクター』の放送がスタートしていることだろう。韓国のオリジナル版ファンにとっては再び『グッド・ドクター』の世界を楽しめるチャンスとなる。
そもそも日本版は韓国の評論家から脚色やローカライズなどを絶賛されており、ファンからも「キャストが良い」「原作や米国版より原作の情緒と意図に充実している」などと好評を受けた。
(参考記事:山崎賢人主演『グッド・ドクター』、韓国の評論家も称賛。その違いと共通点とは?)
また、「すべての子どもが大人になれますように」という日本版特有のキャッチフレーズについても評価が高い。
「今まで一度も考えたことがない文章で、見た瞬間鳥肌がたった。これこそ、日本ならではの繊細で優しい解釈だ」と評するレビューもあった。
そして、キャストの演技である。韓国でも人気の山崎賢人を始め、『のだめカンタービレ』の上野樹里、『ホタルノヒカリ』の“部長”として知られる藤木直人が出演することだけでも十分な話題になる。日本以上に、韓国で人気の高い日本の芸能人は少なくないのだ。
(参考記事:「美しすぎる!」とネットで話題に。韓国で活躍する日本芸能界の美女たち)
加えて、韓国で“名作”といわれるドラマのリメイクだけに、韓国のドラマ・ファンたちも余計に関心を引き寄せられるのだろう。
ただ、韓国版では山崎賢人演じる新堂湊と上野樹里演じる瀬戸が病院の寮で暮らし、様々なハプニングに巻き込まれながら恋人に発展する設定もあって、湊の医者としての成長はもちろん、人間的な成長もひとつの軸になっている。
韓国版を見ている立場からすれば、そういう部分をあっさり省いた日本版はどうしても「物寂しい」と感じてしまうかもしれない。
いずれにせよ、日本版の放送に続き、9月24日から米国版『グッド・ドクター』シーズン2が放送を控えているという。韓国のグッド・ドクターファンにとってはまさにお祭り気分だろう。
新垣結衣主演の『逃げ恥』が韓国で人気を博したような、人気を集める日本ドラマになるかもしれない。
“湊先生ロス”で寂しい夜を過ごす日本のファンからすると羨ましいかぎりだろうが、こうなったら日本版の続編にますます期待を寄せたくなるのがファン心理だろう。描き切れていない部分もあっただけに、ぜひとも続編を期待したい。