冬山よりも危険な勤労感謝の日の頃の登山
勤労感謝の日
11月23日の勤労感謝の日は、勤労をたっとび、生産を祝い、国民互いに感謝しあう国民の祝日で、昭和23年(1948年)に制定されました。
それ以前の11月23日は新嘗祭(にいなめさい)でした。
天皇陛下が新穀を天神地祇に勧め、また、親しくこれを食する祭儀である「新嘗祭」を、11月23日に固定したのは、明治6年(1873年)からです。
明治5年(1872年)までは旧暦11月の2回目の卯の日に行われていました。
明治6年(1873年)から太陽暦が導入されましたが、そのままでは新嘗祭が翌年1月になることもあって都合が悪いということで、明治6年(1873年)は、新暦11月の2回目の卯の日に行い、以後の新嘗祭は11月23日に固定して行われ、それが昭和22年(1947年)まで続きました。
勤労感謝の日の頃の登山
勤労感謝の日の頃は、冬山の練習としての登山が行われることがありますが、平成15年(2003年)は、富士山などで強風であおられ、滑落事故が相次いでいます(図1)。
強い寒気の南下
太陽の光があたらなくなった北極上空にできる強い寒気の塊が3つに分かれて南下しています。
アメリカ東部、東ヨーロッパ、そしてサハリン付近です(図2)。
このため、北海道の上空約5500メートルには、氷点下36度以下という、今冬一番の強い寒気が入ってきます。
今年、平成30年(2018年)の勤労感謝の日の三連休は、日本海と日本の南岸を二つの低気圧が東進し、全国的に雨となった後、西高東低の冬型の気圧配置となって強い寒気が南下してきますので、東北地方の平地でも雪の可能性があります(図3、図4)。
平成15年(2003年)と同じように、強い寒気が南下してくる三連休となります。
三連休を利用して登山を計画している人は、冬山以上に危険となることを認識して行動する必要があります。
図1、図4の出典:気象庁ホームページ。
図2、図3の出典:ウェザーマップ提供。