東京都心に初雪が降る日
東京都心に冬本番を告げる初雪。低気圧が近すぎず、遠すぎずの微妙な関係が雪を降らせる。過去には気温6度で雪が降ったこともある。
みぞれも初雪に
東京都心は8日(金)、最高気温がこの冬初めて10度を下回りました。冷たい雨が雪に変わる季節の到来です。
初雪は夏が終わったあとに初めて降る雪のことで、気象台の職員が目で見て判断します。白い雪だけでなく、みぞれが降っても初雪です。みぞれは雨と雪が混在して降る現象のことをいいます。
東京の初雪の平年日は1月3日、年明けに初雪が降るのは鹿児島や静岡など全国でも数えるほどしかありません。東京の初雪が遅いのは年々、暖かくなっている冬の影響はもちろんのこと、低気圧にも理由があります。
関東に近すぎず、遠すぎず
こちらは2016年11月24日の初雪の天気図です。関東の南に低気圧があります。
低気圧が近すぎると暖かい空気が入って雨になり、遠すぎると雨雲がかからず。ちょうどいい具合に雨雲と冷たい空気が重なると雪になります。この近すぎず、遠すぎずの見極めが東京の雪予想の一番難しいところです。
さらに、気温が低ければ雪が降るかというと、そうでもないことがあります。
こちらは気温と湿度の関係をみた図です。
2006年3月13日午後3時、東京では気温6.3度、湿度37%で雪が降りました。空気が乾燥していると、雪が解けて蒸発するときに周囲の熱を奪うため、気温が下がり、上空の雪が解けきらないまま降ってくるのです。
3月に初雪?
2007年は東京都心でスギ花粉が飛び始め、立春が過ぎ、3月16日にようやく初雪が降りました。当時を思い出すと、3月になって初雪といっていいものか、悩んだ記憶があります。あまり知られていませんが、一番後に降る雪を終雪といい、東京の平年日は3月11日です。
初雪の4日後にはさくらが開花、自然は不思議なものです。
【参考資料】
気象庁:気象観測の手引き、平成10年9月