【ブラックバイト】自爆営業にご用心~従業員は求められたら自社の商品を買わなければならないのか?
そろそろ12月ですね。
12月といえば下旬にはクリスマスというイベントがあります。
我が国ではクリスマスにケーキを食べる風習があります。
そのため、小売業ではクリスマスケーキの販売に力を入れることになります。
中には力の入れ方を間違ってしまい、その結果、ブラックバイト問題となることもあります。
ブラックバイトの7系統
さて、近ごろ話題のブラックバイト問題。
このブラックバイト問題で起こる事象には諸々ありますが、私は今のところ以下の7系統に分類しています。
- 無賃労働系
- ノルマ系
- 罰金・損害賠償系
- 退職妨害系
- シフト系
- ハラスメント系
- 解雇・雇止め系
この2つめ、ノルマ系の中に「自爆営業」という問題があります。
自爆営業とは、会社が自社のサービスや商品を自分が雇っている労働者に購入させる行為です。
これは労働者が自らの営業成績を上げるためにする場合もあれば、店舗の成績を上げるために上司などから強制される場合などもあります。
もちろん、労働者の意思に反してサービスや商品を購入させることは許されません。
クリスマスケーキの購入の強制
先日、ブラックバイトならぬブラックパート問題ということでしたが、TBSの「Nスタ」でもクリスマスケーキの購入の強制について放映されたとのことです(11月12日放送)。
実は私はこの件について、事前に取材を受けていましたが、放送されていたことを知らず、見逃してしまい、自分が出ていたのかどうかさえよくわかりませんでした(ツイッターで出ていたと教えてくれた方がいました)。
私がこの取材のときに見せてもらった書類は驚きのもので、題名は「クリスマスケーキ購入のお願い」という文書でした。
題名こそ「お願い」となっているのですが、実際は
「必ず2個以上予約購入してください。」
「絶対お買い上げ下さい」
とありました。
1個はまだしも、2個は食べきれないよなぁ
という問題ではありません。
あと、その書類には、アレルギーや宗教などの理由でクリスマスケーキを購入しない人は、お歳暮など別のものを買うように、とも書いてあったと記憶しています。
アレルギーや信教の自由など、そういう細かな配慮ができているのに、なぜか自爆営業に導くという文面が異様に光っておりました。
いずれにしても、ここまで来れば完全にアウトです。
このように書類として残っていることは実はかなり珍しいパターンで、多くは証拠も残らず、口頭で「お願い」をしているようです。
そして、その数は少ないとは到底言えないほどあるようです。
コンビニの学生アルバイトの11.6%が強要された経験あり
厚生労働省のブラックバイト調査では、コンビニでアルバイトする学生の11.6%が「商品やサービスの買い取りを強要された」と答えています。
実に10人に1人以上が自爆営業をさせられそうになっているのです。
異常ですね。
また、おでん100個を買わされたというのが新聞記事になったこともありましたね。
・おでん100個を自爆営業 ブラックバイトと闘うには(閲覧注意・私の顔写真あり)
他にも私が聞いたものでは、「高校生の甥っ子からお歳暮が届いたので、何事かと親に尋ねたら、親もそれを知らず、子どもに問いただしたらコンビニバイトでの自爆営業の結果だった」という話もあるそうです。
不自然なお歳暮の陰にブラックバイトあり
という格言ができそうです。
このようにコンビニのアルバイトには、強弱はあるでしょうが、「自分のところの商品を買ってくれ圧力」がかかることは珍しくないといっていいでしょう。
どう対処したらいいのか?
まず、きっぱり断ることが大事です。
しかし、そうは言ってもみんな買ってるし、自分だけ買わないわけには・・・
という声もあるでしょうが、ここは正念場ですので、不要なものは買わないでいいのです。
でも、店長が、買ってくれないと困るんだってしつこいんです
という声もあるでしょうが、これもやはりしっかり断る必要があります。
その程度の泣き落としに負けてはなりません。
で、でも、買わないと店長がシフトを外すって言います
こうなりますと、買わないことで労働者に不利益を与えるものですから、購入の強制とみていいでしょう。
労働組合や弁護士に相談したり、コンビニの本部などに告げ口するなどして対応しましょう。
いずれにしても、自爆営業には毅然とした態度で断ることが対応のポイントとなります。
もし困った場合は学生向けの労働組合もありますので、相談するのがいいと思います。
※自爆営業については、今野晴貴さんの次の記事が詳しいですので、ぜひご参照ください。