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プーホルスの次にイチローを追い抜くのは誰!? そして、いつ!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホゼ・アルトゥーベ(左)とミゲル・カブレラ Aug 14, 2015(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月7日、アルバート・プーホルス(ロサンゼルス・エンジェルス)が3090本目のヒットを打ち、イチロー(3089本)を追い抜いた。2人は、どちらも2001年4月2日にメジャーデビューした。3089本目のヒットは、イチローが2648試合目、プーホルスは2701試合目。プーホルスがイチローに並んだのは、4月6日に打った634本目のホームランだった。

 これからも、イチローを追い抜く打者は出てくるだろう。けれども、それはしばらく先になりそうだ。プーホルスを除くと、2000安打以上の現役選手は3人しかいない。2684本のミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)、2478本のロビンソン・カノー(ニューヨーク・メッツ)、2246本のニック・マーケイキス(アトランタ・ブレーブス)がそうだ。前年までの平均シーズン安打は、それぞれ167.3本、176.4本、172.1本。このペースで打ち続けた場合、カブレラの3090本目は2021年、カノーは2022年、マーケイキスは2023年となる。

 3人とも、すでに35歳以上だ。昨シーズン、マーケイキスは185本のヒットを打ったが、カブレラとカノーは100本に届かなかった。カブレラは故障で38試合の出場にとどまり、カノーは薬物の陽性反応によって80試合の出場停止を科された。今シーズンも出足は鈍く、カブレラは打率.235(34打数8安打)、カノーは.205(39打数8安打)だ。2人の契約は2023年まで残るが、それまでプレーを続けられるかどうかは定かではない。

 また、ホゼ・アルトゥーベ(ヒューストン・アストロズ)は過去5シーズン(2014~18年)に平均202.8安打を打ち、年齢は28歳ながら、通算本数はまだイチローの半分にも達していない。今シーズンの11本を含め、1430本だ。もしかすると、イチローはこれから誰にも追い抜かれずに、歴代23位の通算安打――ベースボール・リファレンスでは24位――のまま、殿堂入りするかもしれない。イチローが殿堂に迎えられるのは2025年だ。

 なお、今シーズン、プーホルスは前年と同じ114本を打つと3196本となり、さらに8人、デーブ・ウィンフィールド(3110本)、アレックス・ロドリゲス(3115本)、トニー・グウィンSr.(3141本)、ロビン・ヨーント(3142本)、ポール・ウェイナー(3152本)、ジョージ・ブレット(3154本)、エイドリアン・ベルトレー(3166本)、カル・リプケンJr.(3184本)を追い抜く。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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