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ひとり旅がおすすめ! 「ソロ温泉」だから味わえる最高に贅沢な時間とは?

高橋一喜温泉ライター/編集者

ソロ温泉(ひとりでの温泉旅)の目的は、温泉につかって心身の疲れを癒やすことだ。ひとりだからこそ、日常から離れた「空白の時間」を堪能できる。

したがって、基本的には宿泊する旅館に直行。観光スポットなどに寄り道はしない。そして、チェックインが済んだら温泉三昧である。それが筆者のソロ温泉の流儀である。

そんな筆者もかつては、とにかく欲張りであった。

「名物グルメを食べないと」

「名所に行かないと」

「せっかくの旅だから現地の人と触れ合わないといけない」

旅の目的は温泉である。そう最初から決めていれば、このような強迫観念に縛られることはない。「誰かと感動を共有できない寂しさ」、そんな感情にとらわれる必要もない。

ソロ温泉なら、同行者の「観光をしたい」「グルメを楽しみたい」という希望に振り回されることもない。

「ここに行った」「あそこにも行った」「あれも食べた」「温泉にも入った」と欲張るのも旅のひとつの形だが、そういう旅に疲労感を覚えるようなら、温泉だけを目的にした旅を試してほしい。

「何もしない」は最高の贅沢

「温泉に入るだけでいい」などと言うと、「温泉だけが旅の目的なんて辛気臭い」「せっかくの休みに遠出をするのだから、もっと贅沢な旅をしたい」などと反発する人もいるかもしれない。

こう考えてみてはどうだろう。数万円で海外旅行に行けてしまう時代に、同額もしくはそれ以上の金額をかけて国内の温泉地に出かけて、ひたすら温泉に入るだけ。そんなシンプルな旅は、逆にとても贅沢ではないだろうか。まったく辛気臭くなどない。

あれもこれもと手を出すよりも、ひとつのことをじっくりと楽しむ。量より質を重視するのが、大人の旅といえる。

贅沢をしたいなら、少し値の張る高級な旅館に泊まってもいい。一流のサービス、料理を堪能し、良質の温泉につかれば、激安の海外パックツアーに行くよりも満足感を得られるはずだ。

何かをしようとしない

ソロ温泉では、ただ湯船につかり、心身を解き放つのが目的である。だから、温泉宿に着いたら、ただ湯につかる。何度もつかる。それに徹する。

もちろん、ずっと温泉に入っているわけにもいかないので、入浴と入浴のあいだには昼寝をしたり、好きな本を読んだりしてもいい。ただただボーッとしていたって誰も文句は言わない。

無理して何かをしようとしてはいけない。パソコンを開いて仕事をするなど言語道断。パソコンはソロ温泉に持ってきてはいけない。仕事や人間関係などの日常から心身を解放するのも目的なのだから。

ソロ温泉では、温泉に入るのが最優先事項なので、ひたすら湯と向き合うことになる。そんな時間は日常では決して得られない。

これを機に、一人きりの温泉旅(=ソロ温泉)に目を向けてみてはいかがだろう。

高橋一喜|温泉ライター
386日かけて日本一周3016湯を踏破/これまでの温泉入湯数3800超/著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)/温泉ワーケーションを実行中/2021年1月東京から札幌へ移住/InstagramnoteTwitterなどで温泉情報を発信中

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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