猫も夏バテになる?みられる症状5つと予防法を解説!
夏の暑さは私たち人間にとっても過酷なものですが、実は猫たちにとっても同じように厳しい季節です。
そのため暑さに比較的強いといわれる猫であれ、夏バテになりますし、その結果としてさまざまな症状を引き起こすことがあります。
そこで今回は猫が夏バテになると見られる症状5つや、予防法について解説します。猫の飼い主さん必見の内容です。
1.夏バテの症状5つ
1‐1.食欲低下
猫も人と同じように、夏の暑さが続くと食欲がなくなってしまいます。その原因は、主に次の通りです。
・暑さで体温が上昇するので、その分のエネルギー需要が減る
・活動量が低下して運動による消費カロリーが少なくなる
・胃腸の調子が悪くなり、食べられなくなる
など
通常のような「がっつき」がなくても、ご飯を少しずつ食べれていればいいですが、まったく口にしないなら夏バテを起こしていると思っていいでしょう。
そのときは涼しい場所に移動し、ご飯を食べるか様子をみます。それでも食べないことが続いたら、獣医師に相談しましょう。
1‐2.元気喪失
猫は暑さによる体力の消耗が激しくなり、日常の活動量が低下し、全体的に元気がなくなってしまいます。
たとえば…
・ダラダラとして無気力
・昼夜問わずじっとしている
・いつもより動く機会が少ない
・遊びに対する反応が鈍い
など
このような様子が見られたら夏バテのサインかもしれません。活動的な猫の行動も控えめになり、エネルギーを温存するためじっとしていることが多いのです。
1‐3.体温が高い
猫は人間に比べて体温が高く、約38度が平均的な猫の体温です。しかし夏の暑さが続くと体温調節が上手くいかず、熱を逃がせずに高体温になることがあります。
猫の体(被毛が比較的薄めなお腹など)を触ってみて、いつもより熱ければ夏バテを起こしているかもしれません。
40度以上あると熱中症の危険が懸念されるので、注意しましょう。
1‐4.尿量の減少
夏バテを起こしているときは、おしっこの量も少なくなりがち。というのも夏バテになる原因のひとつが、水分不足だからです。
もともと猫は水分を積極的に飲まない動物ですが、水分不足で夏バテを起こし、そして軽い脱水症状を起こしてると尿量が減少したりします。
猫にとって水分不足は大敵。水を飲まないと脱水や熱中症、腎臓病や尿結石といった病気にかかりやすくなります。
そのためもし「おしっこが少ないな」と思ったら、夏バテのサインだと思い、ウェットフードや液体おやつ、水分補給ゼリーなどを与えて、水分を摂取させましょう。
1‐5.下痢・嘔吐をする
夏のジメジメした暑さは、猫の消化器系にも大きな負担をかけます。
暑さで消化器系の働きが鈍くなり、食べ物をうまく消化・吸収できずに下痢や嘔吐をしてしまうのです。
下痢や嘔吐で怖いのは、体の水分も一緒に抜けてしまい脱水を引き起こすことです。そのため水分が摂れない・症状が続くという場合は早めに獣医師に相談しましょう。
なおドライフードに水分を含ませてウェットフードにすることで、消化しやすくなり同時に水分も補給できるのでおすすめです。
※衛生上、ウェットフードは30分程度で廃棄しましょう。
2.夏バテの予防法は?
2‐1.水分を摂取させる
日本の高温多湿な夏の環境では、猫の体内の水分バランスは簡単に崩れてしまいます。そのため、夏はとくに十分な水分補給が欠かせないのです。
先にも少し述べましたが、猫はもともと水分を積極的に摂取する動物ではありませんので、飼い主が「猫が水を飲みたくなるような工夫」をしなければいけません。
たとえば、水飲み場を複数にする・水を常に清潔にしておく・流れる水(自動給水機)を用意するなど。ほかにはウェットフードやおやつといった食事からの水分補給でもOKです。
とにかく、猫が水分不足にならないようにします。
2‐2.快適な環境を整える
室温・湿度が高かったりすると、猫は夏バテになりやすくなります。そのため快適な室内環境を作ることが、夏バテ予防には効果的です。
具体的には…
・温度管理
猫が過ごすのに理想的な室温は20~27度程度が目安です。28度を超えると暑く感じるため、エアコンなどで室温を適温に保ってあげましょう。
・除湿対策
夏は湿度も高くなりがちです。除湿機や除湿剤を活用して、適度な湿度(50~60%)を保つようにしましょう。
・風通しを良くする
窓から換気をしたりして、風通しを確保することも大切です。ただし猫への脱走対策は忘れずに。
・日陰を設ける
日光が当たりすぎると暑いので、ブラインドなどで日陰を作ることをおすすめします。
・クールスポットを作る
冷却マットや冷感マットを用意するのも効果的です。
・暖かい部屋と涼しい部屋を行き来できるようにする
日光が当たる部屋と日陰の部屋は、当たり前ですが温度が異なります。そのため猫が快適と感じる部屋で過ごせるように、部屋を行き来できるようにしておくのもいいでしょう。
このように室内環境に細かく気を配ることで、猫が夏バテを起こしにくい空間を整えられます。夏バテ予防のため、ぜひ環境づくりに取り組んでみてください。
2‐3.定期的なブラッシングをする
ブラッシングをして、不要な冬毛を除いてあげるのも夏バテ予防になります。
猫は汗腺が非常に少なく(鼻と肉球だけ)、かつ体は被毛に覆われていて体温調節が苦手です。しかし冬毛を除いてやることで、体温調節もしやすくなるでしょう。
とくに室内飼いの長毛種やダブルコートを持つ猫(ペルシャ・アメリカンショートヘア・ロシアンブルーなど)は、夏になっても冬毛が残っていることが多いので、積極的に取り除いてあげましょう。
3.まとめ
猫は人間同様、夏バテをする生き物です。
暑さは比較的得意な猫ですが、日本の高温多湿の暑い夏は、猫でも「お手上げ」状態…そのため飼い主が猫の夏バテを予防すること・気づくことが大切です。
とくに体力がない子猫・老猫・持病持ちの猫は注意しましょう。
なお夏バテは熱中症にはなっていませんが、パンティング(舌をだしてハアハアする)やふらつきなどがあれば熱中症初期症状かもしれないので、体を冷やし動物病院を受診しましょう。