米・デスバレーで53℃、ラスベガスも史上最高気温に
サーマル(熱)、サンシティ(太陽の町)、スチーム(蒸気)、ボイリングポイント(沸点)など、アメリカ南西部には暑そうな地名がずらりと並んでいます。
世界一の最高気温の記録を持つデスバレー(死の谷)もその一つで、その名の由来は、1849年にその過酷な環境ゆえ、多数の探検者が命を落としたことからきていると言われています。
今週、このただでさえ暑いこの地域が、真夏以上の高温に覆われ、連日のように最高気温の記録が更新されています。
<観測史上最高気温記録>
ニードルズ、カリフォルニア州:52℃
ラスベガス、ネバダ州:47℃※1位タイ
<日最高気温記録(6/20)>
デスバレー、カリフォルニア州:53℃
パームスプリングス、カリフォルニア州:50℃※1位タイ
フェニックス、アリゾナ州:48℃
ツーソン、アリゾナ州:47℃
(フェニックスで華氏118度=摂氏48度記録)
どれほど暑いのか?
40℃後半から50℃前半の温度とは、一体どのような状況なのでしょうか。
2013年8月、高知県の江川崎が国内最高気温となる41℃を記録したとき、「炎の中にいるみたい」「風も熱くて、温風ストーブから風が吹き出している感じ」などと話している方がいました。
しかし今回アメリカはそれよりも暑いのですから、息を吸うのも苦しい、もしくは痛いくらいの暑さなのかもしれません。
クッキーの実験
上の動画では、具体的にどれだけ暑いのかを表すために、車のダッシュボードでチョコチップクッキーを焼いたり、チョコレートストロベリーを作ったりしています。車内の温度は10分間で10度も上昇することもあり、特にダッシュボードは直射日光も当たって非常に高温になるので、数時間でさくさくのクッキーが出来上がったようです。
熱波の弊害
このように、オーブンなしでクッキーは焼けたものの、熱波によって様々な面で問題が生じています。熱中症が原因で複数の死者が出たほか、諸所で山火事も起きています。さらに、暑さで道路には亀裂が入り、空の便にも遅れやキャンセルが出ました。
というのも、航空機は空気を押し出す力で上空に上がるので、気温が高く空気密度が小さくなると、押し出す力が小さくなって、なかなか上昇しにくくなるからです。特定の航空機には48℃に達すると飛ばせないという規定があり、20日に48℃まで上がったフェニックスでは航空機の遅延やキャンセルが相次ぎました。
このアメリカ南西部の高温は今週末にかけても続く見込みです。暑さが佳境に入るこれからの時期、健康にも事故にも、一層の注意が必要になってきます。