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「大阪2強」が夏の甲子園懸け、決勝で対戦! 大阪桐蔭が、対履正社12連勝なるか

森本栄浩毎日放送アナウンサー
大阪桐蔭と履正社が、甲子園を懸け激突することになった。(18年7月、筆者撮影)

 大阪大会は、実力通り大阪桐蔭履正社の「2強」による直接対決で、甲子園出場が決まることになった。両者の決勝での対戦は9年ぶりとなるが、前回の直接対決は4年前(タイトル写真)の北大阪大会準決勝。9回2死までリードを許した大阪桐蔭が底力を発揮して逆転し、そのまま2度目の甲子園春夏連覇を果たした。

夏の直接対決は大阪桐蔭11連勝中

 ファンの間では「大阪2強」と称されるが、夏に関して言えば、現在、大阪桐蔭の11連勝中(それまでに履正社が2勝)である。夏は一度でも負けたら甲子園に出られないので、少なくとも11回は、履正社の夏の甲子園が大阪桐蔭によって絶たれたということになる。3年前の夏、履正社は初めての全国制覇を果たしたが、この時は直接対決がなかった。

一昨年の独自大会では履正社が勝つ

 翌2020年はコロナ禍で甲子園大会そのものが中止となり、両者は「独自大会」で対戦した。この試合は履正社が圧勝(9-3)し、溜飲を下げたが、甲子園が懸かっていたわけではない。長く両校を見てきて、履正社が明らかに大阪桐蔭を上回っていたのは初優勝以降の2年間で、甲子園を懸けて対戦しても、同じ結果だったと思う。不思議なことに、夏の大阪ではこの20年あまり、履正社は大阪桐蔭以外にはまず負けないのに、大阪桐蔭は履正社以外のチームに不覚をとることがままあった。こうして大阪桐蔭は、最後の夏には必ずライバルを倒してきた。

今季は大阪桐蔭が接戦で2連勝

 さて今季の両校であるが、秋、春と直接対決があり、5-3、3-2のスコアで、いずれも大阪桐蔭が勝っている。センバツ覇者として履正社と対戦するのは前述の4年前と同じ。この時も大阪桐蔭圧倒的有利の予想だった。春に完敗し開き直った履正社は、当時の主将だった中軸打者の濱内太陽(筑波大)を先発させる奇襲に出てそれが奏功。王者を土俵際まで追い詰めた。今回は、昨秋に就任したばかりの多田晃監督(44)がどんな手を打つか。大阪桐蔭の西谷浩一監督(52)は春の対戦を振り返り、「積極的な走塁など、勢いを感じた」と警戒を緩めていない。

投手陣の安定感が際立つ大阪桐蔭

 今季対戦では、大阪桐蔭がいずれもエース・前田悠伍(2年)の完投で競り勝っているが、現在の前田の状態は芳しくない。むしろ、上級生の川原嗣貴別所孝亮(いずれも3年)の両右腕が好調だ。

センバツ優勝投手となった大阪桐蔭・川原。背番号「1」をもらい、「エースナンバーの責任を背負って投げている」と西谷監督も成長を認めている。(筆者撮影)
センバツ優勝投手となった大阪桐蔭・川原。背番号「1」をもらい、「エースナンバーの責任を背負って投げている」と西谷監督も成長を認めている。(筆者撮影)

 別所が金曜日の準決勝で完封したことから、西谷監督は、川原に大きな期待を寄せているだろう。センバツ優勝時にもマウンドに立たせてもらい、川原自身も西谷監督の思いは肌で感じているはずだ。もちろん、前田の先発起用も考えられるが、準々決勝以降、タフな試合続きの履正社に対し、大阪桐蔭は投手陣の安定感が際立っている。

歴史を変えたい履正社

 4年前の直接対決は、結果が違っていれば、高校野球の歴史も大きく変わっていた。今回、履正社が意地を見せられれば、大阪桐蔭3度目の甲子園春夏連覇を阻止することができる。ライバルとの夏の直接対決連敗を11でストップし、大阪代表をかち取った時、履正社は名実ともに「大阪2強」として並び称されることになる。

毎日放送アナウンサー

昭和36年10月4日、滋賀県生まれ。関西学院大卒。昭和60年毎日放送入社。昭和61年のセンバツ高校野球「池田-福岡大大濠」戦のラジオで甲子園実況デビュー。初めての決勝実況は平成6年のセンバツ、智弁和歌山の初優勝。野球のほかに、アメフト、バレーボール、ラグビー、駅伝、柔道などを実況。プロレスでは、三沢光晴、橋本真也(いずれも故人)の実況をしたことが自慢。全国ネットの長寿番組「皇室アルバム」のナレーションを2015年3月まで17年半にわたって担当した。

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