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トップリーグ新人賞→日本代表&サンウルブズで活躍。松橋周平が辿る名手の系譜。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
球を持った際のフットワークと思い切りに注目が集まる。(写真:アフロ)

 前年度の国内トップリーグで新人賞を獲得したラグビー日本代表の松橋周平が、国際舞台で得たものや2シーズン目への決意を明かした。

 2016年に明治大学からリコー入りした松橋は、フォワード第3列のフランカー、ナンバーエイトを務める。身長180センチ、体重99キロと同位置にあっては大柄ではないものの、人垣を突っ切る突破力や重さのあるタックル、鋭いジャッカル(相手の接点から球を奪うプレー)で魅す。昨季のトップリーグでは15試合に出て10トライをマークした。

 昨季終了後は日本のサンウルブズへ参画し、国際リーグのスーパーラグビーで9試合に出場。日本代表としても昨年3キャップ(国際真剣勝負への出場数)を得たのに続き、今年は5キャップを取得した(計8キャップ)。貴重な経験を積んだ。

 スーパーラグビーのシーズが終わってから約1週間の休息を経て、7月下旬からリコーへ合流。8月18日の開幕節を見据える(東京・秩父宮ラグビー場、対NTTコム)。さかのぼって5日、東京・キヤノンスポーツパークでのキヤノンとの練習試合後に単独取材に応じた。

 以下、一問一答の一部(編集箇所あり)。

――サンウルブズや日本代表の活動を通し、成長できましたか。

「技術的にもそうですが、メンタルの部分でも。(過酷なスーパーラグビーで)毎週、毎週、試合が続くなか、準備の部分で成長ができました。いいルーティーンで試合に入れて、いいメンタルで臨めて、結果、いいパフォーマンスにも繋がった」

――長期移動を交え、強豪国のクラブとほぼ週に1度のペースで対戦。そんなスーパーラグビーの舞台で確立したのが、試合に向けた「ルーティーン」なのですね。

「日課を作る、と言いますか…。寝る前のストレッチのルーティーンを含め、自分のなかで毎日やることを作りました。自分のなかで、色々なことを習慣化した。ストレッチは内容も細部までこだわったりして。そうすれば、翌日の疲労度が全然、違う。ラグビーの勉強についても、ひとつひとつ、細かく(設定)しました。これらが、(活躍に)繋がっているのかな、と思います」

――これから、国内外で1年間プレーする選手になります。

「去年の8月(前年度のトップリーグ開幕)からずっと試合をし続けていますが、とにかく1つひとつの目の前の試合に100パーセントで臨めるように、準備の段階で100パーセント…と。そのなかで、怪我をしないようなケアを大事にしていく。調子のいい時に怪我をしてしまう選手もいる。そうならないために自分のできることを最大限、します」

――試合時間や出場数の調整は、自分ひとりではできない。できることは、いま言われた「100パーセント」の準備ということですね。

「ゲーム時間については、リコーの方たちもわかってくれてコントロールをしてくれると思います。ただ、本当にきつかったら自分で言ったりと、自分のできることをしっかりやっていきたいです」

 自分のコントロールできることを完璧にコントロールしようとする。各動作を習慣化させることで波をなくす。これらは、過去に日本代表へ定着した選手たちも揃って採用してきた思考法でもある。

 ワールドカップに3大会出場した小野澤宏時(福井県体育協会所属)は宿舎で絶えずストレッチ。2015年のワールドカップイングランド大会でヒーローとなった五郎丸歩(ヤマハ)はゴールキックの際の動作を一定にして、その動きをそれこそ「ルーティーン」と名付けた。激務の只中、松橋は無意識のうちにレジェンドの隊列に加わらんとする。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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