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【土浦市】数百年前から枯れずにこんこんとわき続ける、伝説のおいしいお水「照井の井戸」って知っている?

コイケケイコ土浦在住ライター(土浦市)

土浦市真鍋にパワースポットのような場所があるという噂を聞きつけて、やってきたのが善應寺(ぜんのうじ)。何でもこのお寺の敷地に、何百年も枯れずに湧き続けるという不思議な井戸があるらしいのです。

「善應寺」は1670年(寛文10年)に開創された歴史ある古寺

土浦駅から車で約8分、バスの場合は「柿岡車庫行」に乗車して6つ目「土浦一高前」下車、徒歩約6分の場所に「善應寺」があります。木造りの山門をくぐると階段があり、その先に観音堂や本堂が鎮座しています。

こちらが階段を上った先にある「観音堂」で、土浦市指定文化財の建造物でもあります。観音堂は、善應寺が開創された1670年(寛文10年)の翌年に建立されたという記録が残されています。建立後、二度の火災に遭いましたが今から約208年前の1814年(文化11年)に再建されて現在に至っています。200年以上もの前の建築物が今もなお美しい姿で残されているというだけでも一見の価値があります。

観音堂に掲げられている扁額(へんがく=看板の意)は、見るからに達筆で芸術すら感じられます。それもそのはず、この扁額は和歌や書道に秀でた20代目の住職であり、その後に尊皇攘夷運動に参加した佐久良東雄(さくらあずまお)氏によるもの。この書跡もまた土浦市指定文化財として保護されています。

観音堂のその先に本堂があります。善應寺は真言宗の寺院で、文献によると創建は江戸時代初期とされ、1670年(寛文10年)に当時の土浦城主であった土屋数直(つちやかずなお)氏によって再興。土浦城を災いから守る祈願所の役割を果たしていたそうです。

350年以上こんこんと湧き続ける名泉「照井の井戸」

観音堂を背にして右に下ったところ、また山門の脇にある駐車場を少し上がったところに、お目当ての「照井の井戸」はありました。

井戸は柵で守られたその中に。扉の鍵がかかっていないのでいつでも開けて中に入ることができます。

柵の脇には「照井の井戸」の歴史を知ることのできる説明書きがあります。こちらも土浦市指定文化財の史跡です。照井の井戸は、土屋数直氏によって土浦城までの間に水道(樋)を通し、上水道として用いられていたという歴史があります。そして、その後も歴代藩主がこの井戸を保護してきたそうです。

扉を開けて階段(石を積んだようなもの)を降りたところに井戸があります。足場が不安定なので降りるときにはお気を付けください。

蓋を開けると井戸枠いっぱいに溜まっているお水が姿を現しました。350年以上もの間、日照りにも衰えることなく、この豊富な水量が保たれているというのですから本当に不思議ですね。

照井の井戸のお水は自由に持ち帰ることができます。空のペットボトルとMy漏斗&桶のようなものを持参して汲む地元の人が多く、漏斗や桶を忘れても井戸の近くに置いてあるペットボトルを半分に切った漏斗風&桶風のものをお借りして汲むことができます。

参拝してお水をいただいた後に御朱印を書いていただきました

最後に社務所を訪れて御朱印をいただきました。善應寺は、四国八十八カ所霊場を模して開創された「関東八十八カ所霊場」のひとつで、御朱印には「関東三十五番」の印が捺されています。

ご本尊の大日如来の墨書を書いていただけます。

御朱印(納経)は300円で頒布していただけますので、御朱印帳も忘れずに。

仏閣情報
宗教法人 真言宗豊山派 照井山 善應寺
住所:茨城県土浦市真鍋3-12-1
電話番号:029-821-3848
拝観料:無料
(「照井の井戸」の利用も無料ですが、良識の範囲内でご利用ください)
駐車場:あり(無料)
ホームページ:https://zennouji.jp/

土浦在住ライター(土浦市)

土浦市在住のフリーランスの編集・ライター。海外・国内の旅行関連のガイドブックや書籍制作をはじめ、ブライダル情報誌の編集にも携わる。食べること・飲むことが好きで、趣味が興じて最近では食を中心にWEB、紙媒体などで取材執筆活動中。地元土浦の飲食パトロール、歴史やカルチャー学習も積極的に行っています。

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