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フレッシュ球宴 史上初の中止!無情にも開催地の倉敷を通過していった台風《阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
17日朝、岡山駅で取材に応じる江越選手。夕方には甲子園の1軍練習に参加しました。

四国、中国を縦断していった台風11号の影響で、未来のスター選手たちによる球宴・フレッシュオールスターゲームが中止になってしまいました。16日の18時から岡山県倉敷市のマスカットスタジアムで行われる予定だった『プロ野球フレッシュオールスターゲーム2015』は、台風接近のため午前10時に順延(17日の13時開始)を決定。しかし17日の朝6時過ぎ、よりによって台風はその倉敷市に再上陸してしまったんですよね。深夜からの雨は強まる一方で、朝8時に中止が発表されました。

どこかに「17日も中止になったが順延はされず、開催なし」と書いてあったのですが、もともと翌日の予備日にできなければ行わないというのは決まっていますからね。順延は一度だけと。でもここ20年くらい、翌日になったことすらないんじゃないかと思うほど順調だったので本当にビックリしました。1963年から、最初は1軍のオールスターゲームの前座というスタンスで始まった若手選手のオールスターゲーム。1978年からスポンサーがついて独立開催となり今日に至りますが、その間に中止は一度もありません。1966年は行われていないものの中止ではないので、今回がまさに史上初!半世紀を超える歴史の中で、初めてのことです。

出場する選手も、地元をはじめ遠くから来られるお客様も、選手の家族や友人の皆さんも「じゃあまた来年」というわけにはいかないので残念ですけど、台風には勝てませんでしたね。ことし選ばれていた選手たちは来年以降、何が何でも1軍のオールスターゲームに出て、このリベンジを果たしてもらいましょう!

虎代表選手たちはすぐ帰途に

中止が決定して、選手たちはチームごとに帰っていきました。岡山も在来線は午前10時くらいまで運転を見合わせていたのですが、幸い新幹線は始発から平常運行だったので、タイガースの古屋監督と選手たちも9時過ぎには岡山を出ています。では岡山駅の改札前で聞いた話をご紹介します。守屋投手は実家に寄っていて、別便での移動でした。

なお1軍はきょう17日に練習が始まりましたが、ファームは18日の10時から鳴尾浜で練習再開です。

横山投手は「残念無念!」

横山投手のうしろに「桃太郎」の文字が。目指せ、日本一!
横山投手のうしろに「桃太郎」の文字が。目指せ、日本一!

◆中止になっちゃいました。

「残念無念!ですね」

◆先発だったし、アピールできることもあったでしょう。

「やりたかったですよ。こんな機会はないので」

◆誰かと対戦したかった?

「それはないですけど、いつもと違った雰囲気を味わいたかったなってのは、ちょっとありますね」

◆21Uの侍JAPANで一緒だった野村投手(中日)とは、同じウエスタン選抜なので宿舎も同じ。会えましたか?

「会ってないんですよ。まあウエスタンだから試合でも会えるし。でもイースタンの選手は…」

結局、球場にも行かずじまい、ユニホームに着替えることもないままですもんねえ。おまけに、これで登板間隔がまた空く横山投手。なんせ彼の雨男ぶりは今や秋山投手をもしのぐ勢いで、自身の先発予定を何度か流していますから。今回も先発が横山投手に変わったせいで台風が来たのでは?なんて言われたり。でも「ブルペンではできているんで問題ないです。試合感覚は欠けてしまうけど、それ以外は大丈夫です」とキッパリとした口調。後半に向けての意気込みを聞かれ「頑張ります!」と引き揚げていきました。

後半は1軍へ!と陽川選手

陽川選手には、ホームランで100万円をと期待していたけど幻に。1軍でぜひ!
陽川選手には、ホームランで100万円をと期待していたけど幻に。1軍でぜひ!

◆試合できませんでしたね。

「残念です。楽しみにしていたのに。でもこういう天気なので、しようがないですね」

◆休めた?

「移動があったんで」

(確かに。しかも“移動しかしていない”とも言えますね)

◆来年は1軍のオールスターに。

「もちろん目標はそこですし、頑張って結果を残していきたいと思います」

◆後半戦は?

「結果を出して、一日でも早く上に呼ばれるよう頑張っていきたい」

江越選手は結果的に親孝行も

◆中止でしたね。

「残念ですけど、天気にはかなわないですね」

◆休めた?

「休まりました」

(何だか不思議なやり取りです)

◆きょうから1軍練習に参加することになったとか。

「今の自分の力をアピールできたらいいかなと思います」

◆課題は?

「まだまだな部分もありますけど、継続してやっていけたらと」

夕方から1軍練習に参加した江越選手。後半の活躍にご両親も期待です。
夕方から1軍練習に参加した江越選手。後半の活躍にご両親も期待です。

なお、きのうは長崎から観戦に来られたご両親と食事をしたそうで「会うのはお正月以来。居酒屋へ行きました。特別な話は…。頑張れって言われたくらい」と話しています。

お母さんによれば、車で7時間かけて岡山まで来られたそうです。何とか試合をご覧になりたかったでしょうけど、昨夜は一緒に食事ができて、それはそれで嬉しかったとおっしゃいます。なんたって、お正月以来ですもんね。来年は1軍のオールスターに…いえ、その前に日本シリーズってのがあるかもしれません。楽しみになさっていてください。

守屋投手に後半は強力な助っ人が!

◆ルーキーイヤーに地元・倉敷でフレッシュオールスターが開催され、そこに出場するはずが中止とは。

「残念ですねえ!みんな呼んだのに…。きのうの中止でけっこう連絡がきました。残念やっーて。でもしょうがないですね」

◆総勢何人くらい?

「家族と、小学校、中学校、高校の友だちと、その親と。50人くらいは来たかも」

◆ウチワや応援ボードも作ってね。フレッシュオールスターはまだチャンスがあるけど、マスカットスタジアムかどうかはわからないので。

「はい。他で観客は動員できないっすねえ(笑)」

◆じゃあ1軍の公式戦でマスカットに。

「行くしかないですね!そこしかないでしょう」

◆後半に向けて。

「前半のあとの方はあまりうまくいかなくて、納得できるピッチングが全然できなかった。これから奥さんと子どもも来るので、それを機に前より一層がんばっていきたいと思います」

◆課題は?

「フォームがまだ安定していない。でも良くなりつつあると思うので、久保コーチや香田コーチと一緒に探して、いいフォームを見つけていきます。そこからいいピッチングを続けて、1軍に呼ばれるよう頑張りたい」

守屋投手は岡山での写真を撮れなかったので、15日の練習中の1枚です。
守屋投手は岡山での写真を撮れなかったので、15日の練習中の1枚です。

先日もう寮を出て、きょうから新居で3人の生活が始まるという守屋投手。赤ちゃんが生まれてからは休みを利用して会いに帰っていましたが、これからは家に帰れば2人が待っていてくれるわけで、それはもう何よりの励みでしょう。

それにしても、よりによってフレッシュオールスター開催地で、守屋投手の実家のある倉敷市に台風が上陸するとは…。岡山は“晴れの国”って聞いたことがありますよ。だから余計にビックリです。最後に、守屋投手はこんなことを言っていました。

「岡山はめったに台風なんか来ないんですよ。だいたい、それていくのに。ほんとにもう横山のヤツ」

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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