松田が7回無失点、12奪三振でフェニックスを打ち上げ《10/24 阪神ファーム》
きのう24日から『みやざきフェニックス・リーグ』は最終クールに入り、阪神は生目の杜運動公園第2球場で韓国のハンファイーグルスと対戦。4試合目の先発だった松田投手は、立ち上がりから三振奪取ショーを展開しました。1回から2回にかけて4連続があったと思えば、3回と4回はすべて三振。つまり6者連続です!投げ終えた7回までで計12奪三振の力投でした。
許したヒットは散発で3本、しかも無四球という見事な内容で最終登板を終え、松田投手は球場からそのまま空港へ向かっています。23日は岩貞投手が帰り、きのうは松田投手と1人ずつ減っていく感じで。きょうの田面投手ももう帰りました。残るは、あす26日の最終戦で散発する秋山投手ですね。
《フェニックス・リーグ》10月24日
阪神- ハンファ (生目第2)
ハン 000 000 050 = 5
阪神 000 011 001 = 3
◆バッテリー
【阪神】松田-伊藤和-藤原 / 梅野
【ハンファ】キム・ボムス(6回)- ジャン・ミンジェ(1回)- ジョン・ジェウォン(2回) / イ・ジェホ- パク・ジュンボム(8回裏)- ジョン・ボムモ(9回裏)
◆三塁打 ハ・ジュソク、シン・ソンヒョン
◆二塁打 荒木、江越
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)
1]右:横田 (5-1-0 / 0-0 / 0 / 0)
2]遊:植田 (5-1-0 / 1-0 / 1 / 0)
3]左:中谷 (4-2-0 / 2-0 / 0 / 0)
4]中:江越 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0)
5]捕:梅野 (3-0-0 / 1-1 / 0 / 1)
6]三二:森越 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 1)
〃打:伊藤隼 (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0)
7]指:緒方 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
〃打指:陽川 (1-0-0 / 1-1 / 0 / 0)
8]二三:荒木 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 1)
9]一:西田 (3-1-2 / 0-0 / 0 / 0)
◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ
松田 7回 96球 (3-12-0 / 0-0) 149
伊藤和 1回 36球 (2- 2- 3 / 5-4) 141
藤原 1回 16球 (1- 2- 0 / 0-0) 144
試合経過
まず先発・松田の“奪三振ショー”からご紹介。1回は先頭を中飛に打ち取ったあと空振り、見逃しの連続三振。2回は4番と5番を空振り三振(4者連続)。6番のハ・ジュソクに左中間越えの三塁打を浴び、センター江越からサードへの送球が大きく逸れますが、ホームへは還していません。次は遊ゴロで無失点でした。
3回は8番からの3人を5球ずつで空振り三振に。4回も2番からの3人を空振り三振。ここが、圧巻の6者連続三振です!真っすぐが多少高めにいっても、思いっきり空振りさせていましたね。見事です。5回は先頭が三ゴロ、先ほど三塁打のハ・ジュソクをセカンド荒木の捕球エラーで出し、1死後に走られますが梅野からの送球を受けて植田がタッチ!と思ったら…ボールを捕れておらず、おまけに後ろへコロコロ。これで三塁まで進めてしまいました。しかし次を空振り三振に仕留めて無失点。5回までで早くも毎回の11奪三振です。
6回は9番のイ・ジュホに左前打されるも、飛び出したところを梅野が刺しています。次は二ゴロで2死、続く2番のソン・ジュホには真っすぐを痛烈に打ち返され中前打。これが一番の打球でしたね。次もピッチャー返しの打球だったんですが、しっかり捕って投ゴロ。7回は4番からで中飛、二ゴロ、そして“締めに”ハ・ジソクを空振り三振!7回は抜け球が目立ったものの、96球で予定イニングを終えています。
さて打線は、1回が三者凡退、2回は1死から梅野が四球を選んだだけ。3回はまた三者凡退。4回に先頭の植田が、ようやくチーム初ヒットとなる中前打で出ました!すぐに盗塁も決めたのですが…江越は右飛(ライトの足がめちゃくちゃ速い!)、梅野は左飛(レフトもダイビングキャッチのファインプレー!)で二塁から動けず終了。5回も森越が今度はセンターのナイスキャッチで中飛に倒れ、緒方は左飛で2死となります。しかし、ここから反撃開始。荒木が左翼線に二塁打を放ち、続く西田が右前タイムリー!好投の松田に1点をプレゼント。
さらに6回1死から中谷が左前打を放ち、次の江越はレフトへの二塁打で二、三塁とチャンス拡大!梅野は3球で空振り三振に倒れ2死となり、続く森越は空振り三振で2者残塁…と思いきや!ボールはキャッチャーの足元に。球審はスイングのジャッジをしただけで、森越は一塁へ走ります。キャッチャーが拾って送球するも、山なりのボールでセーフ。中谷が生還して2点目が入りました!
振り逃げと、タッチをしなかったキャッチャーのエラーでしょうか?エラーではなく、キャッチャーからファーストへの送球間に三塁走者が生還したということかもしれません。いずれにしても打点はなしですね。なおも2死一、三塁から代打・陽川が空振り三振で6回が終わり、7回は三者凡退です。
2対0とリードして、8回は伊藤和が登板。二ゴロ(森越のナイスプレー)で1死を取ってから8番に四球、ここで梅野がマウンドへ。代打のイ・チャンヨルに右前打、そのあと四球で満塁となり暴投で1点。次も四球でまた満塁。3番のシン・ソンヒョンに中越えの三塁打を浴びます。走者一掃、おまけに中継した森越の三塁送球が打者走者に当たったのか、荒木は捕れず(記録としては森越のエラー)で、そのまま還してしまいました。
4番と5番は連続三振(5番は外の真っすぐで見逃し三振!)で終わらせた伊藤和ですが、ヒット2本に3四球も絡んで、この回5失点。9回は藤原が登板し、ヒット1本を許したものの2三振を奪って無失点です。打線は8回に中谷が左前打していますが無得点。9回は代打・伊藤隼が四球、陽川は死球(2試合連続…この日は足です)、荒木の中飛で1死一、三塁として西田が右犠飛。横田の左前打で2死一、二塁とするも、最後は植田が初球を打って二飛。1点返しただけで試合終了です。
すべて先発で4試合、課題も収穫も
試合後の練習を終え、選手控室に入った松田投手はもうスーツ姿で出てきました。帰れることが嬉しいのか「話は大阪で」なんて言って笑います。ナイスピッチング!12奪三振はすごいね。「そうですね。よかったと思います」。ただし話しながら歩を緩めないので、ついて行くのが大変(笑)。「真っすぐと、変化球ではチェンジアップが決まったのがよかったです。チェンジアップが使えれば、真っすぐはコースに投げていたら間違いないので」
フェニックスではすべて先発で4試合に登板して「課題が見つかったし、いいこともあったのでよかったですね。課題は秋季キャンプでクリアしていきたい」と松田投手。来年どうなるかは、自分が決めることじゃないのでと前置きしつつ「先発をやってみて、まだまだですけど、でもやってみたいなという気持ちはありますね」というコメント。そして「じゃあ大阪で!」と満面の笑顔でタクシーに乗り込みました。
香田投手コーチの松田投手談です。「これまで長いイニングを投げることがなかったので、それを経験していってほしかった。インサイドワークや組み立てを覚えるために、90球から100球前後を投げさせてね。選択肢が広がったんじゃないかな。ウイニングショットやカウント球が課題で、秋季キャンプでも、1つ1つのボールの精度や、状況判断をしっかりしていかないとね」。来年は先発ローテーションに入るのかどうかに関しては「編成をみながら」とのことです。
左投手での先発起用に応えたかった西田
西田選手は、5回2死二塁で右前タイムリー!ファーストが伸ばしたグラブの下を抜けていきました。「あれは捕れない。無理。ヒット」とまずは同じファーストとしてのコメント(笑)です。
そのあと「2死から荒木さんが出てくれて、僕は左ピッチャーから打つってのをテーマにしてやってきたし、左ピッチャーでもスタメンで使ってもらったので余計に打ちたいと思っていました。追い込まれたけど、変化球で泳がされて空振りするのはイヤやったし、三振が一番イヤやったんで、何とかしたかった。変化球をいい感じで打てて、抜けてくれてよかったです」と一気に。
そして逆転されたあと、9回には1死一、三塁となってライトへ犠牲フライも放ちましたが、やっぱり「勝ちたかった!」が本音のようです。第2クールではまだ、以前と変えたフォーム(構えた時に腕を高く上げる感じ)で打っていたんですが、その後また変えたとか。23日に会った時に「また戻したんですよ。上げるのをやめて」と言っていました。それで第4クールの最後2試合で計5安打だったみたいです。
植田選手は、3回まで抑え込まれていたハンファの先発・キム投手からチーム初安打!「打ったのは真っすぐです」。次の中谷選手のところですかさず盗塁を決めました。うまくいったね。狙い通り?「はい。狙い通りです」
横田選手はこの日、一ゴロ、二ゴロ、二ゴロ、一ゴロと4打席連続で凡退していて、ようやく9回にヒットが出てホッ。ちょっとタイミングを取りにくそうな右サイドスローのジョン投手からの左前打で、なかなか渋い当たりだったんじゃないですか?「あれは狙ったとかじゃなくて、あっちへ飛んでいきました!」…なるほどね。あと残るは2試合。「打ちますよ!」
最後に陽川選手。「状態はよくなってきました。練習ではヘッドの返し方を少し工夫しています」。この日、試合後に帰阪した掛布DCによれば、右打ちの練習をしているとか。22日のヤクルト戦で放ったライトへホームランは「いい形で打てました」とのこと。残り試合はわずかですが「(ミスショットを減らして)確率を上げていきたい」と話しています。