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間もなくゴング! 『BIG TIME BOXING USA』

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
出典:サリタ・プロモーション

 現地時間2月20日(火)にミシガン州デトロイトのウェイン州立フィールドハウスで催される「ビッグタイム・ボクシングUSA」の解説陣が発表された。同興行はDAZNでライブ中継される。

 まずは、IBFスーパーウエルター級王者の、ラウル・マルケス。米国代表として1992年のバルセロナオリンピックに出場したマルケスは、代表合宿時からチームメイトとなったオスカー・デラホーヤと友情を育んだ。

1997年12月6日、3度目の防衛戦でベルトを手放したマルケス(右)
1997年12月6日、3度目の防衛戦でベルトを手放したマルケス(右)写真:ロイター/アフロ

 世界王者としては地味な存在だったが、引退後、SHOWTIMEの『CHAMPIONSHIP BOXING』、またこの局が若手育成を掲げて作ったプログラム『The Next Generation』において、英語とスペイン語の両方で快活な喋りを披露。マルケスの解説者としての働きは、高い評価を得ている。

 タキシードやスーツを着てリングサイドに座り、ヘッドフォンをしながらコメントするマルケスを見ながら、その如才なき活躍ぶりに何度も舌を巻いた。名チャンプであっても、セカンドキャリアを構築するのは難しく、苦しむ元ファイターの姿を何人も目にしているから尚更だった。

写真:ロイター/アフロ

 「ビッグタイム・ボクシングUSA」はマルケスに加えて、特別ゲストとして地元デトロイト出身のトレーナー、シュガーヒル・スチュワードにも仕事をオファー。Kronkジムの総帥であり、トーマス・ハーンズを育てたことで有名な、故エマニュエル・スチュワードの甥にあたるシュガーヒルは、ベテランコメンテーター、コーリー・エルドマンと共に試合を解説する。

 ご存知のように、シュガーヒルは、現WBC世界ヘビー級チャンピオン、タイソン・フューリーを指導中だ。一方のエルドマンは作家としても名声を得ており、DAZNのみならず、ESPN、CBS、NBC等の番組に出演中である。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 今回の興行を手掛けたサリタ・プロモーションの社長、ドミトリー・サリタは「この素晴らしい実況チームが『ビッグタイム・ボクシングUSA』のDAZNデビューに携わることに心から興奮している。彼らはそれぞれ視聴者に、ユニークな洞察力をお見せするであろう」と語った。

 HBO、SHOWTIMEと米国におけるボクシング中継の2大巨頭が消え失せた今、新たなメディアの台頭が待たれる。今回の中継は、どの程度ファンに受け入れられるか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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