Kリーグからサガン鳥栖にわずか半年で出戻りしたFW豊田陽平の韓国での評価は……!?
サッカー元日本代表でKリーグの蔚山現代に期限付き移籍中のFW豊田陽平が、Jリーグのサガン鳥栖に復帰することが決まった。
本来は12月31日まで1年間の契約だったが、両クラブが交渉を行い、豊田自身の希望もあり、約半年で古巣に戻ることになった。
豊田にとって鳥栖は、いつでも戻れる場所だったのかもしれない。2011年に23得点を挙げて得点王となり、J1昇格の原動力となった。
2016年まで7年連続で2桁得点を記録した愛着のあるクラブであるのは間違いなく、サポーターやファンも温かく迎えることだろう。
今季17位と降格圏で低迷する鳥栖の“救世主”になってくれることを期待しての古巣復帰なのは間違いない。
「豊富な運動量と献身的な動きはあったが……」
ただ、現在の豊田がハイパフォーマンスを発揮できるのかという疑問は残る。というのも、今季、Kリーグの蔚山現代で結果を残せていないからだ。豊田はリーグ戦9試合に出場して、2ゴール1アシスト。ACLには7試合出場したが無得点。
豊田に対する韓国メディアの評価は辛口で、「チームが期待するようなパフォーマンスを発揮できなかった」というのが共通した意見だった。
1年の契約を満了せず、半年で古巣に戻ったことについて、サッカー専門サイト『サッカージャーナル』は「韓国のサッカーへの適応は難しかったようだ。手ぶらで日本に帰ることになった」と報じた。
また、スポーツ・芸能総合サイト『ジョイニュース24』は「韓国の舞台にほとんど適応できなかった。豊富な運動量と献身的な動きは高く評価されたが、(FWとして)ゴールを量産できずに苦労した」と、Kリーグに馴染めないまま去ったことを強調していた。
「スポータルコリア」のキム・ソンジン記者も「韓国では大きく期待されていたのですが、そこまでインパクトを残せなかったという評価がほとんどです。ピッチの上でたくさん動くのですが、それが効果的ではなく、ゴール前で得点チャンスを逃すことが多かった」と語っていた。
蔚山は今季のKリーグで12チーム中、7位と中位に位置しているが、“助っ人”として獲得した豊田は、結果からいえば「期待外れだった」ということになる。
そもそも豊田は2017年のJリーグでシーズン5得点と低迷し、新たな挑戦の場所として、韓国を選択したはずだった。
蔚山のキム・ドフン監督からも直接ラブコールを受け、ゴール量産の得点源として大いに必要とされていたことも知られているが、韓国の挑戦は失敗に終わったと言い切っていいだろう。
「双方クラブの意向が合致」
ちなみに今回の移籍は、「双方のクラブの意向が合致したため、成立したもの」と韓国メディアは伝えている。
サッカー専門誌「Best Eleven」は「豊田のJリーグ復帰には2つの理由が作用した。一つは鳥栖が低迷している状況で、17位の降格圏にいること。もう一つは豊田がKリーグで期待した結果を残せなかったことも、蔚山を離れた理由に挙げられる」と報じた。
それでも、初の海外進出となったKリーグで学んだこともあるに違いない。Kリーグでのパフォーマンスと韓国内での評価を見る限り、Jリーグでゴールを量産できるのかは未知数だが、再び脚光を浴びる日が来ることを期待したい。