アマゾンが圧倒的な差でライバル引き離す 音声サービス、他の追随許さぬ状況に
米メディアの報道によると、米アマゾンがスピーカー型アシスタント機器「Echo」シリーズなどで提供している、クラウドベースの音声アシスタント「Alexa」は、そのサービスや機能の種類がこのほど、1万5000種を超えたという。
スキルの数が急増
これは、アマゾンが“スキル”と呼んでいるもので、同社のほか、さまざまな外部企業が提供している。
例えば、スウェーデンの家具小売り大手、イケア(IKEA)は今年5月、同社ブランドのLED照明を、アマゾンのAlexaをはじめとする音声アシスタントサービスに対応させると発表した。これにより、照明のオン/オフや光量/色温度の調整が、音声命令で行えるようになる。
Alexaのスキルにはこれ以外にも、宅配ピザのドミノピザに注文をしたり、コーヒーチェーンのスターバックスに事前注文をしたり、配車サービスのウーバーにクルマの手配をかけたりするといったものもある。
アマゾンがAlexaと、スキルを作成するためのソフトウエア開発キット(SDK)を、これら外部企業に公開したのは2015年6月のこと。スキルの数は、その1年後に約1000種に達し、昨年9月時点で3000種を超え、今年2月には1万種の大台を突破していた。
グーグルは378種、マイクロソフトは65種
インターネットと音声操作に関する話題を伝えるニュースサイトの米ボイスボットによると、Alexaのスキルは、ここのところ、急速に数が増えたという。
例えば、今年6月に登場した新たなスキルは、2776種。その増加率は23%で、それ以前の3カ月間の平均増加率である約10%を大きく上回った。
これに対し、6月に米グーグルのアシスタントサービスに追加されたスキルは74種、米マイクロソフトの場合はわずか7種。全体で見ると、アマゾンのスキルは1万5069種に上るが、グーグルは378種、マイクロソフトは65種にとどまっている。
アマゾンは機器の種類も豊富
アマゾンが、この市場で優位に立っているのは、同社がいち早く製品を市場投入し、ほぼ独占状態で利用者を拡大してきたからだ。また、同社には対応機器の種類が豊富にあり、そのうち最も安いものは約50ドル(約5600円)で販売している。
これに加え、最近は、カメラを内蔵し、日々のファッションをチェックできる「Echo Look」や、ディスプレーを搭載し、ビデオ通話が可能な「Echo Show」といった機器を相次いで発売し、製品ラインアップの拡充を図っている。
AmazonがAI機器にディスプレイ搭載。用途が広がり、普及に弾み(小久保重信) -Yahoo!ニュース個人
また、アマゾンには商品パッケージのバーコードをスキャンすると、その商品が利用者のショッピングカートに入るという機器、Amazon Dashがある。同社は6月、その第2世代モデルを発売。この機器でもAlexaを利用できるようにし、製品名を「Amazon Dash Wand With Alexa」に改称した。
(JBpress:2017年7月5日号に掲載)