新たな熱帯低気圧は東シナ海を北上へ、気になる32度前後の海水温の高さ
東シナ海を北上へ
きのう17日(土)正午、沖縄付近で新たな熱帯低気圧が発生しました。気象庁の予想によると、この熱帯低気圧は、あまり強まることなく(台風になることはなく)、あす19日(月)午後9時にかけて東シナ海を北上し、その後、九州の西海上を通って、あさって20日(火)夜以降、朝鮮半島方面へ進む見込みです。
諸外国を含む種々のモデルの計算結果では、気象庁の予想のように、あまり発達することなく、東シナ海を北上する計算がほとんどとなっていますが、なかには日本のMSMモデルのように台風とみられる勢力に発達しつつ、北上する計算も散見されます。そして気になるのが東シナ海の海水温の高さです。
気になる東シナ海の海水温の高さ
日本周辺の海水温をみると、日本の南東の海上は、台風5号や台風7号など、4個の台風が北上したため、大きく海水がかき混ぜられ、平年より低くなっていて、30度を下回っていますが、台風の影響がほとんどなかった東シナ海は平年より2度から3度も高く、32度前後の極めて暖かな状態となっています。
熱帯低気圧は海水温が30度以上あれば、発達することが多いため、今のところ、発達を予想するメンバーは少ないものの、この東シナ海の海水温の高さは気になるところです。
沖縄の他、九州や四国などにも暖湿流が到達へ
参考までに、上図は日本のMSMモデルの雨や風の予想です。上述した通り、このモデルでは、沖縄付近の熱帯低気圧は発達する計算となっていて、あす19日(月)午前7時の段階で、中心付近の風速は20メートル以上と、台風の条件を十分に満たす勢力となっています。ただ気象庁の予想よりも発達しているモデルです。
熱帯低気圧の影響で、沖縄では雷を伴った激しい雨や非常に激しい雨が降りやすく、警報級の大雨となるおそれがあります。またこの熱帯低気圧の東から北東側にも熱帯低気圧周辺の暖湿流が広がっていて、九州や四国などでも雨雲が発達するおそれがあります。
今週はいつどこで大雨になってもおかしくない
今週はいつどこで大雨となってもおかしくありません。というのも、熱帯低気圧の影響で、あさって20日(火)頃までは、沖縄や九州、四国などで雨が強まりやすく、週の後半は、熱帯低気圧の位相が朝鮮半島から日本海を経由して北日本に流れ込む予想となっていて、22日(木)頃からは、北日本で雨が強まるかもしれません。
また東京でも、台風7号が接近した置き土産として、暖湿流が残っていて、今週は連日のように、雷雨となる可能性があります。酷暑列島から大雨列島へ変わってくるかもしれません。