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小さな巨人? サンウルブズ金正奎が日本代表で語った手応え。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
昨春にニュージーランド留学。試合の流れを読む「スマートさ」を体得。(写真:アフロスポーツ)

国際リーグのスーパーラグビーに日本から初参戦しているサンウルブズは、南アフリカ遠征で残り2試合をおこなう。現地時間7月9日にプレトリアでのブルズ戦、15日にはダーバンでのシャークス戦をそれぞれ控える。

2試合連続でリザーブ入りしたのが、6月下旬から追加招集された金正奎。身長177センチ、体重93キロの軽量級も、地上戦で身体を張る24歳だ。

目下売り出し中のフランカーは、6月、日本代表の一員としてテストマッチ(国際間の真剣勝負)3試合に出場した。

18日は愛知・豊田スタジアムで、続く25日は東京・味の素スタジアムで、欧州6強の一角であるスコットランド代表と対戦。先発した金は、2連敗を喫しながら大柄選手と戦う手応えを掴んだ。

南アフリカの巨躯に真っ向勝負を仕掛けるにあたり、その感触は好材料となるか。

以下、18日に13―26と敗れた際の一問一答の一部(※は当方質問)。

――試合を振り返って。

「勝てる試合だった、とは、あまり言いたくない。でも、取りこぼしたという気持ちはあります。シンビンが重なった(前半終了間際、2人が続けて一時退場処分を受ける)時にチームに元気がなくなって、トライを重ねられたところも。我慢が足りなかったですし、シンビンを2枚も出してしまったところも問題。チームとしての規律をもっと高めないと」

――密集戦で大男に絡みついた(※)。

「今回は、(フランカーを含めたフォワード第3列に)ツイ(ヘンドリック)とナキ(アマナキ・レレイ・マフィ)がいて、彼らは『俺たちが身体を張るから、ショーケーは先頭を切ってブレイクダウンで戦って欲しい』と言われていた」

――相手のボールに絡むジャッカルが、トライにも繋がった。

「あそこは2人目のレースに勝ったという表現が正しいと思います」

――前半30分にジャッカルを試みた場面では、相手にぶち当たられても耐え続けていた(※)。

「自分の持ち味は低さ。当たられても耐えていれば、相手のパワーは上に逃げていきます。そこまで、驚異には感じなかったと思います」

――いつも通り低く。もしくは、いつも以上に低く。どちらでしたか。

「常に『いつも通り』と。今回は相手が大きかった分、自分の強みがより一層、出たのかな、と思います」

――きょうは出場したフォワードのなかで最低身長、最軽量でした(※)。

「そこを比較されるのは仕方ないんですけど、そのなかで自分がどんな振る舞いをするかを重きとしている。でかいプレーヤーができないプレーをしようと思っています」

以下、サンウルブズに160630_サンウルブズ練習後>

――サンウルブズ入りについて。

「もともと熱望していたので、選ばれて嬉しい。選ばれたからには自分のパフォーマンスをしっかり出さなければ、という責任も感じます」

――加入を聞かされたのは。

「スコットランド代表戦の時期です。びっくりはしたのですが。チャンスがあれば、自分のパフォーマンスはしっかりと出したい」

――今後、ポジション争いについて。

「選ぶのは、自分ではなくて監督です。とにかく、いまの自分のパフォーマンスを出す。相手(ライバル)がどうとかではなく、自分にベクトルを向ける」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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