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「横浜ベイスターズ」最後のドラフト1位・北方悠誠、ラモンら7名が退団【独立・福岡北九州フェニックス】

田尻耕太郎スポーツライター
コーチ兼任でマウンドに立った北方

 プロ野球・独立リーグ「ヤマエ久野アジアリーグ」の福岡北九州フェニックス(来季より北九州下関フェニックスに改称)は30日、北方悠誠投手兼任コーチやラモン・カブレラ捕手兼任コーチら7名の退団を発表した。両選手兼任コーチを含めた6名が自由契約。秋庭蓮捕手は任意引退となる。

 北方投手兼任コーチは“剛腕”として野球ファンには馴染み深い投手。2011年のドラフト1位で唐津商業高校から横浜ベイスターズから指名を受けた。そのドラフト後に球団がDeNAに譲渡されたため、横浜ベイスターズとしての最後のドラフト1位選手であり、横浜DeNAベイスターズの1期生としてプロ生活をスタートさせた。

 将来を嘱望されたが、極度の制球難となり、わずか3年で自由契約に。2015年は福岡ソフトバンクホークスと育成契約するも課題が改善されずに1年のみで退団。その後はBCリーグの群馬ダイヤモンドペガサス(2016)、四国ILの愛媛マンダリンパイレーツ(2016~17)、BCリーグの信濃グランセローズ(2018)、同・栃木ゴールデンブレーブス(2019)と渡り歩いた。

ドジャースのマイナーも経験

 栃木時代には視察に訪れた米大リーグ・ドジャースのスカウトが計測したスピードガンで100マイル(約161キロ)をマーク。それがきっかけとなり、2019年7月にはドジャースとマイナー契約を結んで渡米した。しかし、新型コロナウイルスの世界的流行のあおりを受けてプレー機会を失った。結局、右肩を痛めたこともあり2021年4月に解雇となりに栃木に復帰。

 そして今季は福岡北九州フェニックスに入団し投手コーチ兼任で現役を続けていた。指導者としては寺原隼人投手兼任コーチとタッグを組んで若い投手陣に寄り添いながら指導。投手としてはチーム4番目に多い28試合に登板(うち3先発)、2勝2敗5ホールド、防御率6.15の成績だった。

 北方は球団を通じて「1年間熱いご声援ありがとうございました。短い間でしたがこの北九州の地でプレー出来た事に感謝致します。引き続き来年もフェニックスに熱いご声援よろしくお願い致します」とコメントを寄せた。

ラモンはスイッチヒッターの好打者でヒットを量産した
ラモンはスイッチヒッターの好打者でヒットを量産した

 また、ラモンは強打の捕手として活躍。実父のNPB通算357本塁打を放ったアレックス・カブレラのようなパワーヒッターではなく、シュアな打撃を見せて今季は打率.332、8本塁打、50打点の成績でリーグ首位打者に輝いていた。

 

【任意引退】

秋庭蓮捕手(今季成績・44試合、打率.229、0本塁打、7打点、1盗塁)

「途中入団でしたが色々な方々のお陰で野球が出来て感謝の気持ちで一杯です。最後に北九州フェニックスで野球が出来た事を誇りに思います。本当にありがとうございました」

【自由契約】

阿部一樹投手(今季成績・11試合、0勝1敗、防御率11.57)

「短い間でしたがありがとうございました。この一年はたくさんの経験をすることができて本当に感謝しています。

そして、チームメイト、監督、コーチ、球団スタッフ、ファンの皆様、このチームを通して関わって下さった全ての人に感謝申し上げます。

来シーズンの更なる飛躍を誓うとともに、またご縁があることを願っています。

ありがとうございました!」

関口裕貴捕手(今季成績・12試合、打率.111、0本塁打、0打点、0盗塁)

「1年間ありがとうございました。フェニックスでの経験はすごい刺激的で、自分にとって有意義な時間でした。この経験を今後に活かしたいです。最後にファンの皆様、スポンサーの皆様、職員の皆様、コーチの皆様、スキッパー。本当にありがとうございました」

妹尾克哉内野手(今季成績・73試合、打率.328、1本塁打、29打点、15盗塁)

身体能力の高さはリーグでも随一だった妹尾
身体能力の高さはリーグでも随一だった妹尾

「北九州フェニックスの指導者、スタッフ、チームメイトに感謝しています!そして応援し続けて下さったファンの皆さんにも感謝しています!本当にありがとうございました。楽しい野球を見せてくれる北九州フェニックスをこれからも応援よろしくお願いします!本当にありがとうございました!」

古賀尊外野手(今季成績・40試合、打率.217、1本塁打、12打点、1盗塁)

「応援してくださったファンの皆様、スポンサーの皆様、今シーズン本当にありがとうございました!皆様のご支援、ご声援のおかげで戦い抜くことができました。皆様と一緒に戦えてよかったです。ありがとうございました。来シーズンもフェニックスの応援よろしくお願い致します」

※写真はすべて筆者撮影

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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