NHKマイルカップのみどころ
今年のNHKマイルカップは大混戦!
8日、東京競馬場でNHKマイルカップ(GI)が行われる。フルゲート18頭の参戦するが、過去の実績で抜けた馬がおらず難解な一戦だ。
昨年優勝したのはキャリア3戦2勝のシュネルマイスターだったが、NHKマイルカップ参戦時はまだ重賞未勝利馬で重賞経験は弥生賞2着の一走だけだった。
■2021年NHKマイルカップ(GI) 優勝馬 シュネルマイスター
今年の参戦馬でシュネルマイスターと似たキャリアを持つのは、前日オッズ2番人気のインダストリアだ。ここまで4戦2勝。重賞実績は弥生賞5着のみとなっている。終いの脚がしっかりしているのは頼もしいが、ここまで人気を集める背景には鞍上が短期免許で来日中の外国人騎手・ダミアン・レーン騎手という点もあるだろう
キャリアだけでは占えないのが、このNHKマイルの魅力であり難解な理由なのだ。
前日オッズの人気は割れ気味
前日オッズをみると1番人気から3番人気までは僅差だ。前日17時の段階での1番人気は朝日杯FS2着のセリフォスで4.4倍、2番人気はインダストリアで4.6倍、3番人気はマテンロウオリオンで5.9倍となっている。
この3頭から少し離れて前哨戦を勝った2頭、アーリントンC優勝のダノンスコーピオンが8.7倍、ニュージーランドトロフィーを勝ったジャングロが9.9倍と4番、5番人気でここまでが単勝1桁台である。
単勝10倍台は京王杯2歳Sを制しアーリントンC3着だったキングエルメスが14.3倍、デイリー杯2歳S2着でキャリア2戦のソネットフレーズが15倍、ファルコンSを勝ち7戦3勝のプルパレイが16.3倍だ。
■2022年 アーリントンC(GIII) 優勝馬 ダノンスコーピオン
■2022年 ニュージーランドトロフィー(GII) 優勝馬 ジャングロ
前日1番人気のセリフォスは軸として信頼したい
1番人気のセリフォスは朝日杯FSからの直行。約5か月ぶりの実戦となるが調教も十分積まれているし、過去の実績からも休み明けでも走れる気性ではある。新潟2歳S(GIII)、デイリー杯2歳S(GII)、朝日杯FS(GI)とジョッキーが替わっており、今回は福永騎手との初コンビとなるが全く問題はないだろう。特にケチをつけるところはないのだが、あえていうなら高速馬場への対応と本来であればNHKマイルの前にひと叩きできなかった点が気になる。
実績のわりに単勝オッズが高いと見るか、低いと見るかは評価の分かれるところだろう。筆者は軸馬として狙いたいと考えている。今朝のケンタッキーダービーのような軸馬は堅いが流した相手が波乱で配当が大きく膨らむ、という夢に賭けてみたい雰囲気が感じられるレースだからだ。
■2021年朝日杯FS(GI) 優勝馬 ドウデュース (2着 セリフォス)
ケンタッキーダービーに倣い、人気軸馬から人気薄へ流して夢に賭ける
ソリタリオは前走は芝1800m(稍重)のスプリングSで10着に敗退したが、再び実績のあるマイル戦に戻るのはいい。マイルではシンザン記念2着をはじめ5戦2勝、2着3回と連対を外していない。この5戦はいずれも良馬場だ。
ダノンスコーピオンは共同通信杯での惨敗を気にしている方も多いと思うが、あの共同通信杯はコンディションが納得いくものではなかったので度外視してよいと考える。立て直した後のアーリントンCの勝ちっぷりは正直鮮やかさに欠けたが、その後は順調に調整させており伸びしろという点ではピカ一だ。
アーリントンCでダノンスコーピオンの2着だったタイセイディバインは重賞連続2着の実績とコンビを組む松若騎手との双方の理解度がレースを重ねるにつれ深まっているように見受けられ、筆者は個人的に期待している。
筆者は単勝人気順ではエルフィンSを勝ったアルーリングウェイ、シンザン記念2着のソリタリオ、ファルコンSとアーリントンCで2着のタイセイディバインあたりまでは人気の数値ほど実力の差はないとみている。が、しかし。ケンタッキーダービーでは未勝利戦を1つ勝っただけの馬が優勝しているし、すべての馬へ手を広げるくらいでないと大きな夢はつかめないのかもしれない。
実に難解な一戦なので、信じた軸馬から手広く狙ってはいかがだろうか。読者の皆様が笑顔でゴールデンウイークを終えることを願っている。
■2022年 シンザン記念(GIII) 優勝馬 マテンロウオリオン