ホテルの部屋でテレワーク 快適さの決め手は「椅子」
テレワーク需要の高まりを背景に、さまざまなホテルが部屋で仕事をすることを想定したプランを出していますが、快適さの決め手は「椅子」にあると感じています。実際に泊まって確かめてみました。
「テレワーク部屋」に泊まってみた
コロナ禍により、ホテルの部屋で仕事をしたいという人は以前より増えています。しかし、そもそもホテルの部屋は休む場所であり、集中して仕事をするのには向いていないという問題があります。
そのため、せっかく「テレワーク向け」プランを予約しても、いざ部屋に入ってみると什器や照明が何も工夫されていないということはよくあります。
特にがっかりするのが、背もたれがない椅子です。こういう椅子に座って長時間のパソコン作業をするのはつらいものがあります。
一方、ホテルによっては一部の部屋をテレワーク用に改装するなど、設備を整えて提供しているところがあるようです。
たとえば「ザ・ゲートホテル両国 by HULIC」には、ビジネス利用を想定した「Modest」ルームが用意されており、予約時に選択できます。
この部屋の椅子は、オフィスチェアとして定評のあるハーマンミラー製の「アーロンチェア」(リマスタード)です。
座っているだけで仕事が捗りそうな高揚感のある椅子ですが、体に合うかどうかは個人差があります。この部屋なら、家具店やショールームでは難しい長時間の試用ができるのも魅力といえそうです。
Vitra製の昇降デスク「Tyde」は、外資系企業のオフィスに並んでいそうな重厚なワークステーションという印象です。デスクの上には、USB-Cに対応したデルの24インチディスプレイがアームに設置されていました。
この部屋では専用の高速Wi-Fiも用意されています。実測値では下り500Mbps、上り330Mbps程度とホテルのWi-Fiと比べて数倍の速度が出ているなど、いろいろとこだわりが感じられる部屋でした。
ここまで設備が豪華だと料金が気になるところですが、筆者が予約した朝食付きプランは9745円と、ビジネスにも問題なく使える価格帯。「もっとTokyo」利用で実際の支払額は5000円以内に収まりました。
次に泊まったのは「ホテル ヴィラフォンテーヌ グランド東京田町」です。このホテルではゲーミングチェアなどを設置した「おこもり部屋」を選択できます。
ここはデバイスが充実しており、USB-C接続のモバイルディスプレイやインクジェットプリンター、キーボード、マウス、マイク、ヘッドセット、さらにフットマッサージャーまで用意されていました。
パナソニック製のデスクライトでは、パソコン用と読書用に色温度を切り替えることが可能。ホテルの照明といえば落ち着ける暖色系が定番ですが、このライトは集中力を高めるのに役立ちそうです。
筆者が予約したのは、17時以降にチェックインできる朝食付きのプランで税込10520円。そこから「もっとTokyo」で5000円の割引を受けられました。
本記事の情報は筆者が宿泊した2022年9月下旬時点でのものであり、最新の状況は宿泊する前に各ホテルに確認することをおすすめします。
オフィスチェアだけでも十分に快適
テレワーク用の設備が充実しているに越したことはありませんが、本気で仕事をしたい人はモバイルディスプレイなどを自分で持ち込むので、必須の設備というわけではありません。
しかし、個人の努力ではどうにもならないのが「椅子」です。たとえば「ダイワロイネットホテル新橋」では、「デスクタイプ」の部屋にオフィスチェアが用意されています。
このように、一般的なオフィスチェアが置いてあるだけでも、テレワークの快適さは大きく変わってきます。
多くのホテルでは寝具についての説明は充実しているのですが、椅子について書いているところは少ない印象です。ぜひ予約サイトなどでアピールしてほしいと思っています。