楽天・田中マー君は、ルックスに恵まれない僕たちに勇気と励ましを与えてくれる
●今朝の100円ニュース:これぞ田中 楽天お返し(日本経済新聞)
「日本の男性を斎藤佑樹と田中将大に分類するなら、あなたは田中。見た目がね。活躍すればカッコ良く見えてくるよ。活躍できなければ……」
パジャマ姿で起き出してきて居間のソファで二度寝しようと試みていたら、仕事に出かける準備をしていた妻が僕を横目で見ながらつぶやいた。スポーツ全般への関心が薄い僕と違って、体育会系の妻は熱烈な中日ドラゴンズファン。ドラゴンズ首脳陣の人事だけでなく、他チームの有力選手にも注目しているのだ。
とはいえ、選手としての純粋な実力を見るだけではなく、男性としての「イケてる度」をも評価しているところが女性ファンらしい。先日、名古屋駅前で試合帰りの藤浪晋太郎とすれ違ったときは、「背がすっごく高くて顔がキレイ!」と興奮していた。そのときまで藤浪という選手を知らなかった僕は「ダルビッシュみたいな感じ?」と聞いたが無視された。
その妻によると、最近の田中選手は「どんどんカッコ良くなっている」らしい。怖いほどの形相で渾身のピッチングをしてチームの勝利に貢献する一方で、ヒーローインタビューでは試合中には見られない若々しい笑顔でおどける。そのギャップに「かわいい!」とすら感じるようだ。
高校野球において、田中と斎藤が投げ合ったことは僕でも覚えている。あのときは女性人気のほとんどが「ハンカチ王子」の斎藤選手に集中していた。比較された田中選手は「かわいい」ではなく「かわいそう」に映ったぐらいだ。
現在はどうか。田中人気がほぼ100%だろう。今でも斎藤ファンという女性が全国に何人いるだろうか。露骨すぎる現実だが、男性の目から見ても今の田中は燦然と輝いている。
仕事で成果を上げると、「自信がつく」「チャンスが増える」「弱点を補強する余裕が生まれる」「気分が明るく朗らかになる」「経済力が上がる」など、成功を維持・発展するための要素を獲得できる。慢心や傲慢などのマイナス要素を避ける賢さがあれば、さらなる成果を上げて人気を集め続けることができるだろう。
逆に、仕事で不調が続くとどうなるか。「自信を失って卑屈になる」「チャンスが巡って来ない」「努力が空回り、下手をすると体を壊す」「気分が暗くなってイライラする」「経済的に追い込まれる」など、どんどん辛い方向に陥ってしまう。努力を重ねるのは美しい。でも、どこかで見切りをつけて、方向転換を図ることが必要だと思う。がんばる舞台を変えることも視野に入れるべきだ。斎藤選手は野球や投手以外で活躍する道はないのだろうか。
田中選手の人気ぶりは、ルックスに恵まれない僕たちに勇気と励ましを与えてくれる。同時に、「活躍できなければ……」という恐ろしい現実も突きつけているのだ。