打率4割は無理でもイチローが記録した「今世紀最高のシーズン打率」を上回る可能性はあり
どうやら、「最後の4割打者」は、1941年に打率.406を記録したテッド・ウィリアムズのまま、ということになりそうだ。
ここまで、ルイス・アライズ(マイアミ・マーリンズ)は、打率.376(356打数134安打)を記録している。
600打数で打率.400以上とするには、ここから、打率.434(244打数106安打)以上が必要となる。356打数+244打数=600打数、134安打+106安打=240安打、600打数240安打で打率.400ちょうどだ。
500打数の場合は打率.458(144打数66安打)以上、700打数なら打率.424(344打数146安打)以上を要する。
不可能ではないとはいえ、ハードルは極めて高い。
アライズの月間打率は、3・4月が.438、5月が.330、6月が.406、7月はここまで.312だ。5月と7月を除き、3・4月と6月を合算すると打率.421(195打数82安打)だが、ここからそれを再現しても、シーズン打率は.400に届かない。
356打数+195打数=551打数、134安打+82安打=216安打、551打数216安打で打率.392だ。
ただ、アライズは、「今世紀最高のシーズン打率」を更新してもおかしくない。
2001年以降のシーズン打率トップ20は、以下のとおり。
最も高いのは、2004年にイチローが記録した打率.372だ。現時点のアライズの打率は、それをわずかに上回っている。
例えば、ここからの打率が、5月と6月を合算した.369(206打数76安打)と同じなら、シーズン全体の打率は.374(562打数210安打)となる。
また、ア・リーグでは、コリー・シーガー(テキサス・レンジャーズ)が打率.346(260打数90安打)を記録している。打席数はレンジャーズの試合数×3.1に達していないものの、不足は10打席未満。今月が終わる頃には、ア・リーグ打率ランキングのトップに位置するはずだ。
打数が少ない分、打率の変動幅は上下のどちらも大きく、予測は難しいが、シーガーも、アライズとともに、今世紀のシーズン打率トップ20に名を連ねるかもしれない。