Yahoo!ニュース

地区優勝の顔ぶれ。ア・リーグはどの地区も前年と違うチームになる!? ナ・リーグは3地区中2地区が連覇

宇根夏樹ベースボール・ライター
カルロス・コレイア(中央)とアンソニー・サンタンダー(右)Jul 7, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズンのア・リーグは、どの地区も、前年とは違うチームが制することになるかもしれない。

 中地区は、ミネソタ・ツインズがすでに地区優勝を決めている。前年1位のクリーブランド・ガーディアンズは、現時点の地区順位こそツインズに次ぐ2位ながら、こちらは負け越しが確定している。

 東地区はボルティモア・オリオールズ、西地区はテキサス・レンジャーズが首位に位置する。9月24日を終え、両チームとも、地区2位との差は2.5ゲームだ。

 東地区2位にいるタンパベイ・レイズが、オリオールズを上回っても、地区優勝が前年と違うチームになることに変わりはない。前年に東地区を制したニューヨーク・ヤンキースは、地区優勝どころか、地区3位以上の可能性もない。

 ア・リーグで地区連覇の望みを残しているのは、西地区2位のヒューストン・アストロズだけだ。西地区では、3位のシアトル・マリナーズも、地区優勝があり得る。

 アストロズが地区優勝を逃すと、8年ぶりに、3地区とも前年と違うチームが制覇、となる。

 2014年の地区優勝は、東地区がオリオールズ、中地区がデトロイト・タイガース、西地区はロサンゼルス・エンジェルスだった。それに対し、2015年は、トロント・ブルージェイズカンザスシティ・ロイヤルズ、レンジャーズが、それぞれの地区を制した。

 ナ・リーグにおける、この入れ替わりは、2013年が最後だ。2012年と2013年の地区優勝は、東地区がワシントン・ナショナルズアトランタ・ブレーブス、中地区がシンシナティ・レッズセントルイス・カーディナルス、西地区はサンフランシスコ・ジャイアンツロサンゼルス・ドジャースと変動した。

 ちなみに、この時の入れ替わりは2年連続。2011年から、フィラデルフィア・フィリーズ→ナショナルズ→ブレーブス、ミルウォーキー・ブルワーズ→レッズ→カーディナルス、アリゾナ・ダイヤモンドバックス→ジャイアンツ→ドジャースだ。

 今シーズンのナ・リーグは、2地区が前年と同じ。ブレーブスは地区6連覇、ドジャースは地区2連覇を飾った。

 残る中地区は、ブルワーズが地区優勝をほぼ手中に収めている。あと6試合で1勝するか、地区2位のシカゴ・カブスがあと6試合で1敗すると、ブルワーズの地区優勝が決まる。前年1位のカーディナルスは、地区最下位に沈んでいる。

 なお、ナ・リーグの地区優勝3チームが、ブレーブス、ブルワーズ、ドジャースとなるのは、2018年以来だ。

 ア・リーグの場合、地区優勝3チームは、現時点で6パターンが起こり得る。東地区がオリオールズとレイズのどちらか、中地区がツインズ、西地区はレンジャーズとアストロズとマリナーズのいずれかなので、2×1×3=6だ。

 この6パターンのうち、過去にあったのは、レイズ、ツインズ、レンジャーズの1パターンだけ。2010年がそうだった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事