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ソトと大谷を逃したブルージェイズはベリンジャーには手を出さない!? センターの名手と再契約

宇根夏樹ベースボール・ライター
ケビン・キアマイアー(トロント・ブルージェイズ)Apr 24, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 来シーズンも、ケビン・キアマイアーは、トロント・ブルージェイズでセンターを守るようだ。スポーツネットのベン・ニコルソン-スミスらによると、1年1050万ドルの再契約で合意に達したという。

 昨オフ、キアマイアーは、それまで一筋にプレーしてきたタンパベイ・レイズからFAになり、ブルージェイズと1年900万ドルの契約を交わした。そして、ブルージェイズの1451.2イニング中981.1イニングでセンターを守り、4年ぶり4度目のゴールドグラブを受賞した。129試合で記録した、打率.265と出塁率.322、8本塁打と14盗塁、OPS.741は、いずれも特筆すべき数値ではないものの、OPSはここ6シーズンで最も高かった。

 今オフ、ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンらによると、ブルージェイズは、サンディエゴ・パドレスから外野手のホアン・ソトを獲得しようと動いていたらしい。ソトは、ブルージェイズと同じア・リーグ東地区のニューヨーク・ヤンキースへ移籍した。また、ブルージェイズは、大谷翔平との契約にも乗り出していた。大谷は、ロサンゼルス・ドジャースに入団した。

 大物を立て続けに逃し、次の新たなターゲットは、シカゴ・カブスからFAFAになったコディ・ベリンジャーかと思われたが、キアマイアーを呼び戻したことで、状況は変わった。ベリンジャーは、センターと一塁を主に守ってきた。ブルージェイズのレフトとライトには、ドールトン・バーショージョージ・スプリンガーがいる。一塁は、ブラディミール・ゲレーロJr.の定位置だ。

 ただ、ブルージェイズからは、キアマイアーだけでなく、三塁手のマット・チャップマンとDHのブランドン・ベルトもFAになっている。彼らに代わる選手は、今のところ、加わっていない。現時点のメンバーからすると、三塁はキャバン・ビジオサンティアゴ・エスピナルの併用、DHはダニー・ジャンセンだろう。

 ビジオとエスピナルでは、チャップマンの穴は埋まりそうにない。チャップマンは、水準以上のパワーがあり、守備も優れている。ジャンセンは、ホルトベルトの後任が務まりそうだが、DH専任とすべきかどうかには疑問も残る。今シーズンのスタメンマスクは、アレハンドロ・カークが84試合、ジャンセンが65試合、あとの13試合はタイラー・ハイネマンだった。今月初め、ハイネマンは、ウェーバー経由でニューヨーク・メッツへ移った。

 優先順位は、三塁手やDHのほうが上かもしれないが、ベリンジャーを迎え入れる可能性は、まだなくなってはいないような気がする。三塁手とベリンジャーを加え、捕手はカークとジャンセン、一塁はベリンジャーとゲレーロJr.、DHはゲレーロJr.とジャンセン、外野はベリンジャー、スプリンガー、バーショー、キアマイアーの4人とすれば、それぞれの出場機会をあまり減らすことなく、ラインナップは組めるはずだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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