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ドジャースの監督の発言と背番号「17」の再契約は、大谷翔平との契約交渉に影響を及ぼすのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
デーブ・ロバーツ監督(左)とジョー・ケリー Jun 8, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 12月5日、ロサンゼルス・ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、ウィンター・ミーティング中の記者会見で、その4日前に大谷翔平とドジャー・スタジアムで会ったことを認めた。

 この会談から記者会見までの間に、ドジャースは、リリーバーのジョー・ケリーと再契約を交わした。ケリーは、1年950万ドル(解約金100万ドル)の球団オプションをドジャースに破棄されてFAになり、1年800万ドルの契約でドジャースに戻った。

 他球団を含め、大谷と会ったと発言している関係者はいない。ケリーは、ドジャースで背番号「17」を使用してきた。今夏にシカゴ・ホワイトソックスからドジャースへ移ってからだけでなく、その前にドジャースで投げた2019~21年も「17」を背負って投げた。大谷は、ロサンゼルス・エンジェルスで背番号「17」のユニフォームを着ていた。

 もっとも、ロバーツ監督の発言も、ケリーの再契約も、大谷がドジャースと契約を交わす可能性を減じることにはならないと思われる。

 大谷の動きを漏らしたことを、代理人のネズ・バレロ(CAAスポーツ)が快く思っていないにしても、最後に球団を決めるのは大谷だ。しかも、発言の内容は、問題になるようなものではない。ドジャースが大谷を欲していることはすでに知られていたし、ドジャースの提示額や大谷の要求額を明かしたわけではない。

 また、USAトゥディのボブ・ナイテンゲールによると、ドジャースは、大谷が入団した場合、背番号「17」を譲ってもいいかどうかをケリーに訊ね、OKの返事をもらっているという。ナイテンゲールが報じたとおりだとすれば、ドジャースは、大谷との契約に自信を持っているようにも――大谷は違う背番号を選ぶかもしれないが――見える。

 ちなみに、今シーズンのドジャースでは、内野手のミゲル・バーガスも、背番号「17」を使用していた。ケリーが加入する前に、バーガスはAAAに降格し、そこから再昇格はしなかったので、背番号の譲渡・変更という形にはなっていない。メジャーリーグ1年目の昨シーズン、バーガスの背番号は「71」だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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