婚活女性のいう「普通の男性」年収500万円以上はどんな人?
男女七人夏物語というドラマがかつてありました。主演の明石家さんまさんは当時31歳だったのですが、いまから考えると当時の30代というのは今より大人びていたような気がします。
さて、TBSの朝の情報番組「グッとラック!」で9日、「婚活女性が定義する“普通の男性”が物議」という話題が取り上げられ、反響を呼んでいます。
SNS上では「#普通の男性」「#年収500万」といったハッシュタグともに番組のキャプチャがシェアされ、さまざまなつぶやきが確認できます。
番組で紹介された「普通の男性」とは下記のようなものだったようです。
【見た目】
・身長165センチ以上 体重60−80キロ
・星野源さんのイメージ
・ジム通い
【清潔感】
・化粧水をつけて就寝
・鼻毛が出てない
・ヒゲ・爪が整っている
・美容室は月1・2回
【仕事】
・都内在住→年収500万円以上
・地方在住→銀行など大手企業か公務員
この条件から、どんな男性が「普通」とされているのでしょうか?
特に、「都内在住→年収500万円以上」という部分に着目し、年齢と年収の関係について、実際に、各種統計を調べてみました。
東京都在住男性の年代別平均年収
まずは気になる年収について。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(※1)を確認しました。
同調査によると、東京都在住で平均年収が500万円を超えてくるのは30歳以降のようです。ただ20代後半も478万円ですので、お勤め先などによっては500万円を超える人が多いというところもあるかもしれません。
(なお、この調査では、「10人以上の民間事業所」に限って調査されています。調査内容、計算方法の詳細は下記※1※2をご覧ください。)
20代男性の平均年収を、勤務している会社の従業員規模ごとに集計したものがこちらです。
従業員1,000人以上の事業所にお勤めの25−29歳男性の平均年収は500万円を上回っているようです。
業種別の平均年収は?
さらに業種ごとに平均年収を見てみましょう。
業種ごと、年齢ごとの分類で、25−29歳男性の平均年収が500万円に近いのはこの3つの業種です。金融業、保険業、電気・ガス・熱供給・水道業はわかるような気がしますが、鉱業、採石業、砂利採取業はあまり身近ではない業種ですね。実際、従事者数もそう多くはありません。
30代はほとんどすべての業種で、500万円を上回っています。
どのぐらいの人数の独身者がいるか?
現在の平均結婚年齢は31.2歳(人口動態統計)です。実際にどのぐらいの人数の独身男性が東京にいるのでしょうか?
国勢調査によると、東京都在住の30代と40代の独身男性を合計すると100万人います。平均年収としては、40代、50代の方も500万円を上回っていますので、このあたりも「普通の男性」に入ってくるのではないでしょうか?なお、星野源さんは39歳(1981年1月生まれ)で上の表の中ではちょうど真ん中あたりです。
雇用形態別だと少し異なる
雇用形態別の統計は少し異なります。正社員・正職員とそれ以外についてデータをまとめたものが下記です。(この表は全国が対象です。)
正社員が500万円を超えているのに対して、正社員以外は300万円台となっており、格差が生じていることがわかります。ただし、同統計によると、正社員以外の従業員数は全体の11%で、9割近くは正社員・職員となっています。
婚活女性が求める「都内在住の普通の男性 年収500万円以上」はこんな人
ここまでをまとめると、いわゆる「会社員」の場合は、大体下記のようになります。
・20代後半で、大企業(1,000人以上)に勤めている
・20代後半で特定業種に勤めている
・30歳以上の正社員
地方在住の「普通の男性」はどんな人?
婚活女性の思う「普通の男性」について、地方在住の場合、定義に年収は含まれていません。代わりに「大手企業か公務員」となっています。同調査に公務員のデータはないのですが、都道府県ごとの年代別年収や、事業所規模別の賃金については記載があるので、少し見てみましょう。
こちらのデータは東京も含む全国のものです。平均年収は、東京都のみと比べるとやや下がりますが、平均年収は30代で500万円台になるようです。
これをさらに企業の規模別で見てみます。大都市圏である東京、神奈川、愛知、大阪以外の43道府県(※3)について、平均初婚年齢である31.2歳付近はこうなっていました。
従業員が1000人以上の事業所に勤める30−34歳男性の平均年収は523万円、従業員数が100−999人の規模の事業所に勤める30−34歳男性の平均年収は431万円でした。
「製造業・建設業・運輸業」では300人超、それ以外の業種では100人超の会社を大企業とすることが多いようなので、婚活女性のイメージしている「地方在住の大手企業」に勤める男性に期待している年収はこのレンジになりそうです。
何を普通と見るかは、求める人や時代によって変わるのは当然ですが、地域によってもかなり差がありそうですね。
参考 すべての都道府県の30−34歳の平均年収
備考
※1 賃金構造基本統計調査について
統計法に基づく基幹統計として厚生労働省が実施しているもので、調査対象となる事業所(全国約7万8千件)に対して調査票を送付し、回答をもらうという形で実施しているものです。10名以上の常用労働者を雇用する民営事業所について集計データが公開されています。したがって、これに含まれない個人事業主、零細企業、公務員、あるいは、調査票が送られてきていない事業所、送られてきていても回答をしていない事業所等で勤務している方については含まれていません。
※2 計算方法について
賃金構造基本統計調査では、「きまって支給する現金給与額」の月額と、「年間賞与その他特別給与額」のみが公開されています。年収を計算するために、月額を12倍したものと、賞与等特別給与額を合計して計算しています。この数字には社会保険等が含まれた金額です。いわゆる「手取り額」ではありません。また、賞与の支給率は公開されていません。また、各階級ごとの平均値は公開されていますが、中央値は公開されていません。
※3 43道府県
平均年収を都道府県別に並べると、1位〜4位が東京、神奈川、愛知、大阪となります。