「永遠の芝エビ」と表示して、僕たちを明るくお安くダマしてほしい
●今朝の100円ニュース:主要ホテル4割 食品偽装(朝日新聞)
知り合いに「永遠の25歳」の女性がいる。実際は38歳ぐらいのはずなのだけど、彼女の心意気は尊重したい。
25歳といえば、四大卒の女性が会社などで「モテMAX」に達する年齢だ。新人時代の緊張感が少し緩んで仕事に自信をつけ、社会人らしい遊び方を覚え始め、結婚のプレッシャーはまだ小さい。ファッションや美容には磨きがかかり、肉体的な衰えも始まっていない。まさに無敵である。
同じく高学歴の男性の場合は、25歳からようやく「モテ萌芽」が始まる。最高値に達するのは33歳ぐらいだろう。加齢が女性ほどはモテに影響しない一方で、仕事や遊びの覚え方もゆっくりなので、「自信はあるけど若々しい」状態に達するのが10年ほど遅れるのだ。
20代の女性からすると同世代の男性は幼すぎてつまらない。30代の男性にとっては同世代の女性は進化しすぎてやや重い。年の離れた男女が時間をかけて親しくなれる場所は会社ぐらいしかないが、職場の一体感は薄れるばかり。かくして日本の未婚率は上昇していくのである!
ええっと、「永遠の25歳」を標榜する知人女性の話だった。彼女は責任感の強い経営者であり、仕事面では45歳に匹敵するほどの能力と経験を持った人だ。しかし、酒の出る場所で男性と接するときは25歳気分で振る舞ってくれる。身軽になれる。一緒にいると自分も33歳に戻れる気がするのだ。周囲からすると痛い中年男女に見えるだろうが、バカ騒ぎしない限りは優しく見過ごしてほしい。夜のひと時だけなのだから……。
今朝の朝日新聞によると、主要ホテルで構成する日本ホテル協会の約4割(98ホテル)が食材偽装を行っていたらしい。もはやおなじみの芝エビ(実はバナメイエビ)、ステーキ(実は牛脂を注入した加工肉)などだ。
消費者からすると、高級ホテルは非日常を楽しむ虚構のお城だ。だからこそセコい嘘はやめてほしい。お金と手間暇をかけた極上の嘘で僕たちを幻惑するのが仕事のはずだ。レストランも同じ。1万円のコースで「本物」を出すような店で食材偽装をしていたら怒ってしまうだろう。
でも、飲み代込みで4000円ぐらいの店なら許せる。メニューに「エビ」だけでは寂しいし、「バナメイエビ」と言われてもバナナ味かと思ってしまいそうだ。ならば、「永遠の芝エビ」と書いたらどうか。300円のおつりを「はい、300万円!」と渡すノリだ。客としては、嘘でも励ましをもらった気持ちになる。ダマすなら、明るくお安くダマしてほしい。