1300万円を奮発!金満中国?のお年玉事情
旧正月の新年、春節を迎えた中国だが、暦の上での休暇は本日まで。正月と言えば、お年玉が気になるのは中国でも同じ。明日から始まる忙しい日常を前に、国内メディアはお年玉事情を取り上げて、正月ムードの名残を惜しんでいる。
お婆さんの前に札束が...
孫や娘たちに囲まれたお婆さんの前のテーブルの上には、現金の札束ならぬ“札塊”。毛沢東の肖像画が入った中国の100元札の束が、大きめのレンガほどのサイズにまとめられて塊となっているのである。その塊が4つ、赤いカゴの中に並んでいた。中国のネットで話題になった映像だという。
江西省に住むそのお婆さんが、今年、お年玉として子供や孫に配ったその“札塊”は、合わせて80万元。日本円で約1300万円に相当する。その大金の源は、お婆さんが得ている家賃収入。銀行から下ろして来たばかりの現金だったそうだ。
お年玉論争に発展?
ネット上では、やっかみも含めて「そんなに必要ない」などと、お年玉の本来の意義を問う議論にまでなったという。だが、この騒動を報じた中国メディアは「お年玉をいくらあげるかは、結局はそれぞれの能力の問題であり、条件が許すならば個人の自由だ」と結論づけた。中国でもお年玉の額を決めるくらいの自由はある。
もらったお年玉はどこへ?
お金持ち中国といえども、誰もがそんな大盤振る舞いをできるわけではない。それはもらう側も同じだ。
お年玉事情を報じた新聞「北京日報」の記事によれば、ほとんどの人は、毎年受け取るお年玉の合計は5000元(約8万円)以下にすぎない。合計金額でいえば1000元から3000元(約1万6000円から4万8000円)の間が最も多く、全体の29.6パーセントを占めるという。
金額だけを見れば、中国の子供を羨ましく感じるかもしれないが、実はそうでもないらしい。もらったお年玉の全てを自分のものにでき、保護者に渡さなくてすむ子供はわずか20.3パーセント。更に、預けたお年玉についても不幸が待っている。保護者の38.8パーセントはそのお金の使い道について、子供と相談しないと考えているという。
親に預けたお年玉が行方不明になるミステリーは国が違っても同じらしい。
お年玉をいつまでもらうか?
年齢でみれば、40歳から30歳までの人の61.6パーセントは、お年玉は「もらう」側ではなく「あげる」側という。ところが、もう少し年齢を下げて30歳から25歳までの人を見ると、「あげる」側はわずか25.5パーセントに過ぎない。記事では30歳が転換点であると分析している。
結婚までお年玉をもらう?
一方、年齢ではなく人生のイベントで見た場合、お年玉をいつまでもらうかについて、47.1パーセントの人が「仕事を始めるまで」と考えている。
中国では、結婚するまで一人前ではない、という考え方が根強い。春節の休暇で帰省して、実家の両親や親戚に「結婚はいつだ」などと問い詰められるのは、独身者にとっては頭痛の種という話はよく耳にする。お年玉をいつまでもらうかについて、3割近く、29.9パーセントの人が「結婚して子供ができるまで」と考えているという。そんな点にも中国らしさが顔を出していて面白い。