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数日前の怠慢プレーも、若さの現れ!? 史上2番目の若さで「30-30」達成

宇根夏樹ベースボール・ライター
ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)Aug 23, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月23日、ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)が、シーズン盗塁を30とし(写真)、すでに36本を打っているホームランと合わせて、30-30を達成した。

 昨シーズンまでに達成した延べ62人のうち、アクーニャJr.より若かったのは、2012年のマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)しかいない。達成時の年齢は、アクーニャJr.が21歳と248日、トラウトは21歳と54日。トラウトは7月に30盗塁に到達し、8月に21歳の誕生日を迎え、9月に30本目のホームランを打った。なお、2人ともメジャーリーグ2年目の30-30だが、前年7月にデビューしたトラウトは、アクーニャJr.と違い、新人王を受賞していない。

 この5日前、アクーニャJr.は試合途中にベンチへ下げられた。

 3回裏に右方向へ大きな当たりを飛ばした際、ホームランだと思ったアクーニャJr.は、打球を見ながらゆっくりと歩き出した。けれども、打球はフェンスの上部に当たって跳ね返り、アクーニャJr.は一塁までしか行けなかった。さらに、ミスを挽回しようとしたのか、二盗を試みたものの、それをバッテリーに読まれていた。捕手は中腰になり、投手がピッチアウトした球を受けると、二塁へ送球。アクーニャJr.は刺された。

 こちらも、アクーニャJr.の若さ、という感じがする。

 5回表、ブライアン・スニッカー監督は、アクーニャJr.を交代させた。なぜ、直後の4回表でなかったのかはわからない。どうすべきか決めるのに、時間が多少かかったということだろうか。

 レギュラーシーズンの残りは32試合。史上5人目の40-40までは、あと4本塁打と10盗塁だ。ここまでは出場129試合(5月に1試合欠場)で30盗塁なので、1試合平均は0.23盗塁。このペースだと40盗塁には届かないが、後半戦は39試合で17盗塁、1試合0.44盗塁を決めている。こちらのペースなら、シーズン盗塁は40を超える。

 ただ、アクーニャJr.の盗塁成功率はそれほど高くない。両リーグ最多タイの盗塁失敗8度を記録していて、成功率78.9%は20盗塁以上の13人中ワースト3位だ。後半戦の成功率も77.3%しかない。

 また、ブレーブスは地区首位を走っている。ポストシーズンを控えた今、主力選手がむやみに走って怪我をする、という事態は避けたい。ちなみに、過去の40-40達成者のうち、最初のホゼ・カンセコ(1988年)以外は、バリー・ボンズ(1996年)、アレックス・ロドリゲス(1998年)、アルフォンソ・ソリアーノ(2006年)の3人とも、在籍するチームは負け越しただけでなく、7月末の時点でも8月末の時点でも、10以上の借金を抱えていた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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