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元・北海道日本ハムのマーティンがドジャースへ移籍。防御率は4点台ながら、極めて優秀なのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
クリス・マーティン Jul 24, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月30日、ロサンゼルス・ドジャースは、シカゴ・カブスからリリーフ投手のクリス・マーティンを獲得した。1対1のトレードだ。マーティンと交換に、ユーティリティのザック・マッキンストリーがカブスへ移った。

 2016~17年に北海道日本ハム・ファイターズで投げた後、マーティンはメジャーリーグで203試合に登板し、190.0イニングで防御率3.69を記録している。今シーズンは、34登板の31.1イニングで防御率4.31だ。2018年以降の防御率はリリーフとして150イニング以上の124人中65位、今シーズンの防御率は30イニング以上の173人中137位。どちらも、上位ではない。

 ただ、2018年以降のK/BB8.48は1位、今シーズンのK/BB10.00は3位に位置する。制球に極めて優れ、与四球はほとんどなく、奪三振率も平均を上回る。今シーズンの与四球は4(与四球率1.15/申告敬遠1を含む)、奪三振は40(奪三振率11.49)だ。ドジャースがマーティンを獲得した理由は、このあたりにあるのではないだろうか。ちなみに、FIPは、2018年以降が3.24(18位)、今シーズンは3.02(57位)だ。

 3年前にも、マーティンは、夏のトレードを経験している。この時は、テキサス・レンジャーズからアトランタ・ブレーブスへ移った。そこから、昨オフまでブレーブスに在籍し、3年続けてポストシーズンでも登板。昨年は、ワールドシリーズ優勝を味わった。

 今シーズン、ドジャースは、両リーグ・ベストの勝率.677を記録している。10年連続となるポストシーズン進出は、まず間違いない。この移籍により、マーティンは、2年続けてワールドチャンピオンとなるチャンスが出てきた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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